原油価格は長期低迷の可能性が高い!

 

原油安が石油業界にいた頃、価格決定は需給バランスで決まるというのを見に染みて感じていました。

最近の原油価格の下落の大きな要因は、緩和マネーの逆流だと思いますが、需給バランス面から見ても供給過剰の問題があるように感じます。

<アメリカ>シェール革命によりサウジアラビアを抜いて産出国1位となっており、今年から輸出を始めました。

<サウジアラビア>産出国2位のサウジアラビアは、シェアを落としたくないという理由で減産をしていません。サウジアラビア外相のジュベイル氏は18日に「減産の用意はない」と発言してます。1月は過去最高水準の生産量です。

<ロシア>産出国3位のロシアは国家歳入の半分を原油などのエネルギーに依存しており、歳入が減ると国民生活に影響が及ぶ懸念から過去最高水準の原油生産を続けています。

<イラン>かつて産出国4位だったイランは数年間の経済制裁が解除され、今後、増産に踏み切るとみられています。イランは経済制裁で失った市場シェアの回復を「権利」と主張しています。

これらの国の状況を見ると、供給は増えていくかもしれません。

一方、需要の方は中国の景気減速で減っていくと想定されます。

緩和マネーの逆流だけではなく、需給バランスの観点からも原油価格の長期低迷が続くように思います。

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