
「生計を一(いつ)にする」という条件
「医療費控除」。その中でも、多くの方が「これってどういう意味?」と悩まれる「生計を一(いつ)にする」という条件について、分かりやすくご説明しますね。
一言でいえば、「暮らしのためのお財布が一緒の家族」と考えていただくとイメージしやすいでしょう。
ご家族の医療費、誰までが対象になるの?
医療費控除は、ご自身の医療費だけでなく、「生計が一緒」の家族のために支払った医療費も合算できます。
では、具体的に見ていきましょう。
配偶者(奥様・旦那様)やお子さん
配偶者やお子さんの場合、ほとんどのケースで「生計が一緒」と考えて問題ありません。
例えば、奥様がパートで働いていたり、大学生のお子さんがアルバイトをしていたりしても、家族として一緒に生活しているのであれば大丈夫です。
お子さんが就職して実家から会社に通っている場合も、生活の基盤は一緒ですから「生計が一緒」と認められます。
ご両親(ここがポイントです!)
ご両親の医療費を支払った場合は、「同居か、別居か」だけで判断しないのが大切です。
【同居の場合】
同じ屋根の下で暮らしていても、ご両親がご自身の年金やお給料で完全に生活費をまかなっている(家計が完全に別)場合は、「生計が一緒」とは言えません。
一方で、あなたがご両親の生活費を援助していたり、お互いにお金を出し合って一つの家計として暮らしていたりすれば、「生計が一緒」です。
【別居の場合】
離れて暮らしていても、あなたが毎月仕送りをするなどして、ご両親の生活を支えている場合は「生計が一緒」と認められます。
ご両親に年金などの収入が多少あっても、あなたの援助がなければ生活が成り立たないような状態であれば大丈夫です。
ご兄弟・ご姉妹
ご兄弟姉妹の場合は、例えば、学生であなたがその方の生活の面倒を全面的に見ている、といった特別な事情がない限り、「生計が一緒」と認められるのは難しいことが多いです。
大切なのは「お財布」と「タイミング」
このように、「同居しているから必ずOK」というわけではなく、実質的に「暮らしのお財布が一つ」とみなせるかどうかが判断の基準になります。
もう一つのポイントは「タイミング」です。
一年中ずっと生計が一緒である必要はなく、医療費を支払った時点で「生計が一緒」の状態にあれば、その医療費は控除の対象に含めることができます。