原油相場が下がった場合のメリット、デメリット!
ニューヨーク原油先物相場(WTI)は、先週一時、リーマンショック後の安値である1バレル32.4ドルを下回り、2003年12月以来の安値となりました。
ドバイ原油も7日、1バレル27.9ドルで11年ぶりの安値となりました。
要因は、以下の通りです。
1、アメリカの原油在庫、石油製品在庫ともに高水準となっていること。
2、中国景気の減速懸念
3、サウジアラビアとイランの断交
昨年、石油原油相場輸出国機構(OPEC)加盟国ベネズエラの石油・鉱物相は、OPECが対策を取らないと「1バレル20ドル半ばに原油価格が下落する」とおっしゃられました。
昨年末のみずほ証券のテクニカルレポートでは、2016年のWTI原油について1バレル30ドルを下値メドとしています。
私は、ベネズエラの石油・鉱物相発言の20ドル半ばも十分あり得ると思っています。
(過去の記事は以下の関連記事をご覧ください。)
リーマンショック後に1バレル30ドル前半まで下落した相場が、ここ数年1バレル100ドル前後を維持したのは、緩和マネーの影響です。アメリカの金融政策が出口戦略に変更となり、緩和マネーの動きが変わることに加えて中国の景気減速も重なり、リーマンショック後の安値は下回ると思います。
原油相場が下がった場合、影響は様々なところに出てきます。
<メリット>
ガソリン、軽油、灯油等の石油製品やプラスチック、合成ゴム、合成繊維、合成洗剤、塗料等の石油化学製品が下がり、個人だけでなく各種産業にとってプラスとなります。
<デメリット>
資源国通貨の下落や新興国株式の下落圧力が高まります。投資信託等でこれらに投資している方は、損失を確定させるかの判断が必要になります。
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