シャープはなぜ債務超過になるまで追い込まれたか!
2,559億円の赤字で、ついに債務超過となりました。これにより東証1部から2部に降格になるようです。
決算期 | 平成23年3月期 | 平成24年3月期 | 平成25年3月期 | 平成26年3月期 | 平成27年3月期 |
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自己資本比率 | 35.6% | 23.9% | 6.0% | 8.9% | 1.5% |
平成13年3月期の自己資本比率は47.1%でしたが、その後はジリジリと下がってきていました。
近年は大幅な赤字を計上する期が増え、上の表の通り、一桁台の自己資本比率まで落ち込みました。
そして前3月期も大幅な赤字計上でついに債務超過に転落してしまいました。
債務超過とはすべての資産を売却しても借金の返済ができないことを意味します。
シャープはどうしてここまで追い込まれたのでしょうか。
大きな要因は液晶特化とも言える戦略だと思います。
液晶分野は真似されやすく、規模のメリットがでやすいと言われています。
このため、中国や韓国の企業が大規模な投資をしたら競り負けてしまいます。
シャープと言えば、有名なのがシャープペンシルです。
また、以前のキャッチコピーは「目の付けどころがシャープでしょ」でした。
かつてのシャープは他にはない新製品を開発するというのが風土だったのではないでしょうか。
新製品開発が少なくなり、液晶1本頼みになったことで、シャープは追い込まれてしまいました。
シャープ元社長の町田勝彦氏は、1998年当時に「経験豊富な人間がリストラによって会社を去れば、積み重ねてきたものはゼロだ。人が風土を作り、風土によってふたたび人間が醸成され、独創性のある商品が生み出される」と述べられています。
シャープは度重なる人員削減で多くの優秀な人材が流出していると言われています。
町田氏の言葉からしてもシャープの経営再建はハードルが高いものと思われます。