
ホクロを取る手術代は医療費控除の対象とならない
「ホクロ除去手術の費用」が医療費控除の対象になるのか、というテーマについて、分かりやすくご説明します。
結論から言うと…
まず結論から申し上げますと、「見た目を良くしたい」という美容目的のホクロ除去手術は、原則として医療費控除の対象にはなりません。
なぜ対象にならないの? 「治療」か「美容」かが分かれ道です
医療費控除という制度は、国が「病気やケガの治療でたくさんお金がかかって大変でしたね。その負担を少しでも軽くするために、納めた税金を一部お返ししますよ」という、家計のお見舞金のようなものです。
ここでの一番のポイントは、「病気やケガの『治療』のため」という部分です。
例えば、
- 風邪をひいてお医者さんにかかる費用 → 治療なので対象になります
- 虫歯を治すための歯医者さんの費用 → 治療なので対象になります
- もっとキレイになりたいとエステに通う費用 → 美容目的なので対象になりません
ホクロの除去も、この考え方と同じです。お嬢さんの将来を思って、親御さんがホクロを気になさるお気持ちは、とてもよく分かります。
しかし、税金のルールでは、それが「医学的に治療が必要なものか」という客観的な視点で判断されるのです。
「見た目をスッキリさせたい」という目的で行うホクロ除去は、お医者さんが行う手術であっても、残念ながら「美容」のカテゴリーに入ってしまうため、医療費控除の対象外となるのです。
例外もあります!「治療」と判断された場合は?
ただし、すべてが対象外というわけではありません。
例えば、そのホクロが「悪性の腫瘍(皮膚がん)の疑いがある」といった理由で、お医者さんが「これは病気の治療のために手術が必要です」と判断した場合はどうでしょうか。
この場合は、目的が「美容」から「治療」に変わりますので、医療費控除の対象になります。
もし、ご自身のケースがどちらに当てはまるか不安な場合は、手術を受けられる病院で「この手術は、病気の治療にあたりますか?」と確認してみるのが一番確実です。
まとめ
- 美容目的のホクロ除去手術 → 医療費控除の対象外
- 病気の治療目的(お医者さんが判断)のホクロ除去手術 → 医療費控除の対象になる
税金の話は少しややこしく感じられるかもしれませんが、「何のためにそのお金を支払ったのか」という目的で考えてみると、分かりやすくなるかと思います。