三菱自動車は不正の影響を受けても財務余力はある

 

三菱自動車 不正の影響菱自動車は昨日の決算発表で、不正発覚により国内の受注台数が半減したことを明らかにしました。

この不正による補償費用は1,000億円とも2,000億円とも言われています。

この2点を以下の数字から考えていくと、三菱自動車が直ちに潰れる可能性は少ないと思います。

2000年2001年2002年2003年2004年2005年2006年2007年2008年2009年2010年2011年2012年2013年2014年
日本販売台数449,961台403,994台354,269台358,253台226,702台256,220台246,435台218,632台168,046台170,692台163,470台151,323台134,021台143,212台114,774台
全販売台数1,615,641台1,556,689台1,570,156台1,527,156台1,311,763台1,343,825台1,230,033台1,359,497台1,065,406台960,074台986,571台1,001,130台967,364台1,047,151台1,089,711台
日本販売割合27.9%26.0%22.6%23.5%17.3%19.1%20.0%16.1%15.8%15.8%16.6%15.1%13.9%13.7%10.5%
2012年3月期2013年3月期2014年3月期2015年3月期2016年3月期
自己資本比率19.5%23.4%35.0%41.6%48.0%

リコール隠し問題が発覚した2000年と2014年を比較すると国内販売比率は27.9%⇒10.5%と17.4%も下がり、現在は海外での売り上げがほとんどとなっています。

このため、国内の受注台数が半減しても海外の販売が落ち込まない限り、影響は少ないと思います。

また、2015年3月期には営業利益・経常利益・当期利益とも過去最高を記録し業績が回復してきたこともあり、自己資本比率は5年前と比べ、19.5%⇒48.0%と28.5%も上昇し資本の厚みが増して財務面の余力があります。

補償費用に2,000億円かかったとしても、まだまだ債務超過になるような状況ではありません。

よって、三菱自動車は経営危機を迎えるかもしれませんが、潰れる可能性は少ないと思います。

しかし、心配なのは三菱自動車に部品を供給していたメーカーです。

26日に東京商工リサーチが発表した調査によると1次仕入先だけで1,356社、従業員数は412,876人にのぼるそうです。

このうち資本金が5,000万円未満の会社が約7割、従業員50人未満の会社が約6割を占め、大半が中小企業です。

三菱自動車の軽自動車主力工場の水島製作所に部品供給している会社では、操業停止になっているところもあるようです。
三菱自動車の依存度が高い会社は、危機に瀕します。

財務面で余力がある三菱自動車が、このような中小企業を救済し、経営破綻になるようことだけは避けなければいけないと思います。