従業員の中学・高校等の学費負担は給与課税不要

学費に対する取り扱い

会社が払う「学費」は、給料になるの?

まず、基本的なルールからお話しします。

会社が、従業員やそのお子さんの「学費」を払ってあげると、それは原則として「給料」と同じ扱いになります。

「会社から(現金ではなく)学費という形でプレゼントをもらった」と見なされるわけです。
ですから、その金額のぶん、もらった従業員の方の所得税が増えてしまうのが基本なんです。

税金がかからない「学費」とは?

でも、例外があります。
「これは給料扱いしなくていいですよ(=税金がかかりませんよ)」というケースが、大きく分けて2つあります。

仕事に「直接」必要なスキルアップ費用

これは、会社が「仕事のために、このスキルが必要だ!」と判断して、従業員に勉強してもらう費用です。

【例】

  • 経理担当者に、税理士の研修を受けてもらう費用
  • エンジニアに、新しいプログラミング技術の講座を受けてもらう費用

こういう「仕事に直結する勉強代」は、妥当な金額であれば給料扱いにならず、税金はかかりません。

従業員本人が通う「中学・高校等(学校教育法第1条(学校の範囲)に規定する小学校、中学校、義務教育学校、高等学校若しくは中等教育学校)」の学費

従業員ご本人が「中学」や「高校」(※残念ながら大学や高等専門学校は含まれません)に通うための学費を会社が出す場合です。

これも、給料扱いしなくてOKです。

大事な注意点: ただし、このルールは「社長の息子さんだけ」とか「特定の親戚だけ」を対象にしている場合は使えません。
あくまで、公平なルールで運用されている必要があります。

会社が、高校を卒業していない従業員を対象に、定時制高校の学費を全額負担している。

これは、まさに先ほどの2つめのケースにピッタリ当てはまります!

  • 「定時制高校」の学費であること。
  • 「高校を卒業していない従業員」を対象にしており、特定の親族だけをひいきしているわけではないこと。

これらの点から、会社が負担した学費は、従業員の方の給料として扱う必要はまったくありません。
当然、所得税もかかりませんのでご安心ください。