未払いの残業代と税金について

残業代の税金について

「昔働いた分の未払い残業代が、今になって支払われるけど、税金はどうなるの?」というご質問です。
ポイントは2つあります。

基本は「タイムスリップ」して税金を計算します

まず、この残業代は「給料」の一部です。

そして、税金の計算では、お金が支払われた「今」ではなく、本来その残業代をもらうはずだった「過去」にさかのぼって考えます。

【例え話:年ごとの貯金箱】

2022年、2023年、2024年の「税金計算用の貯金箱」があるとイメージしてください。

3年前(2022年)の残業代は、2022年の貯金箱へ。

2年前(2023年)の残業代は、2023年の貯金箱へ。

このように、それぞれの年の収入として分けて、その年ごとに正しい税金の額を再計算します。
会社がこの計算と納税の手続き(源泉徴収)を行います。

【例外】ルール変更で一括支給される場合は「今の」収入になります

ただし、ひとつ例外があります。
会社の給料ルールが変更され、「やっぱり昔にさかのぼって、もっと払うことにします!」という理由で残業代が支払われる場合です。

この場合は、タイムスリップしません。
その残業代は、全額が支払われた年(またはルール変更が決まった年)の収入として扱われます。

【例え話:特別ボーナス】

これは、過去の働きぶりに対して「今年、特別ボーナスが出た」と考えるのに近いです。
そのため、今年の収入としてまとめて税金が計算されます。

まとめ

  • 単なる支払い遅れの残業代
    → 働いた年にさかのぼって、それぞれの年の収入として税金を計算。
  • 後からのルール変更で増えた残業代
    → 今年の収入としてまとめて税金を計算。

ご自身の状況がどちらに当てはまるかで、税金の計算方法が変わってきます。