
源泉所得税をまとめて納付できる「納期の特例」について
どんな制度?を一言で!
一言でいうと、「毎月行っていた所得税の納税を、半年に1回にまとめられる便利な制度」のことです。
通常、社員さんのお給料から天引きした所得税(これを「源泉所得税」といいます)は、給料を支払った月の翌月10日までに、毎月納めなければなりません。
これを、従業員さんが10人未満の会社の場合、特別に年2回にまとめることを認めてもらえるのが、この「納期の特例」です。
ちょうど、毎月の宿題を、夏休みと冬休みにまとめて提出するようなイメージですね。
具体的な納付スケジュール
この特例を使うと、納税のタイミングは以下のようになります。
- 1月~6月に支払った給料や報酬から天引きした所得税 → 7月10日までにまとめて納付
- 7月~12月に支払った給料や報酬から天引きした所得税 → 翌年の1月20日までにまとめて納付
これにより、納税手続きの手間がぐっと減ります。
どうすれば使えるの?
「この特例を使いたいです!」という申請書を、税務署に提出するだけです。
ただし、申請してすぐに使えるわけではないので、そこが少し注意点です。
【ここがポイント!】いつから適用されるの?
3月1日に申請書を提出した場合で、いつから特例が適用されるのか見ていきましょう。
- 税務署の審査期間
税務署は申請書を受け取ると、1ヶ月ほどかけて「この会社は特例を認めて大丈夫かな?」と審査をします。
3月1日に申請したので、4月末までがその期間です。
- 「承認」のタイミング
4月末までに税務署から「ダメです」という連絡がなければ、4月末に「OKが出た(承認された)」とみなされます。
- 特例のスタート!
この特例が使えるようになるのは、OKが出た後に支払うお給料からです。
つまり、上の例の場合は「4月分の給料」から特例の対象となります。
結論:上の例の納税スケジュール
以上のことから、御社の直近の納税スケジュールは次のようになります。
- 3月に支払った給料分の所得税
→ まだ特例は使えないので、原則どおり4月10日までに納付してください。
- 4月に支払った給料分の所得税
→ ここから特例がスタート! 7月10日に、6月分までとまとめて納付すればOKです。
少しややこしいですが、一度手続きをしてしまえば、後はとても楽になりますからね。