社風が違う会社の合併は簡単ではない!

 

出光社風の違い創業家が出光興産と昭和シェル石油の合併に反対しています。

創業家で出光興産名誉会長の出光昭介氏は、
「異なった経歴の中で成立し働いている人々を出光大家族の中に加え、同様に面倒を見ていく事に私は非常に危惧の念を抱きます」
「従業員は家族であり、だからこそ面倒を見る。昭シェルと一緒になればその社員も家族になるが、昭シェルの色に染まっている社員を出光の家族として面倒を見るのは不可能です」
と述べられています。

この出光昭介氏の意見に一理あると思います。

石油業界は装置産業であり、出光興産の現経営陣が考える規模の拡大も重要だと思います。
しかし、全く社風の異なる会社が合併してもうまくいかない可能性が十分あるのではないでしょうか。

石油業界にいた私は両社の社風をよく知っています。
出光興産は民族系資本の中でも個性的な社風の会社です。
(詳しくは以下の関連記事をご覧ください)
一方、昭和シェル石油は外資系で効率を最優先にしてきた会社です。

旧三洋電機が中国企業に買収されましたが、旧三洋時代から働く社員の声として「経営陣との意思疎通がうまくいかない」や「ストレスが多い」などが言われています。

異なった環境で育ってきた社員との融合は相当に大変なもののはずです。

昨日の昭和シェル石油の決算発表で坂田執行役員は出光興産との合併について「日本のエネルギー供給を守るという点において両社に違いは全くない」と発言されましたが、そう言い切れるでしょうか。

同じ外資系で社風が似ている昭和シェル石油と東燃ゼネラル石油が合併するのとは全く異なります。
出光興産と昭和シェル石油の現経営陣は、出光昭介氏の言葉に耳を傾けることも必要だと思います。