
給与所得と事業所得との区分について
最近はフリーランスとして働いたり、副業をしたりと、働き方が多様化していますね。
「自分のこの収入って、税金の種類でいうと何になるんだろう?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
今回は、よく似ているけれど実は違う「給与所得」と「事業所得」について、例え話を交えながら分かりやすく解説します!
そもそも「給与所得」と「事業所得」って?
まずは、それぞれのイメージを掴んでみましょう。
給与所得:お勤め先からもらう「給料」のこと
これは、会社員やアルバイト・パートの方が、会社などの組織の一員として働くことでもらう給料やボーナスのことです。
一番のポイントは、会社と「雇用契約」を結び、そのルール(就業規則など)の中で、指示を受けながら働く、という点です。
(例えるなら…)
会社という大きな船の「船員」として、船長(社長や上司)の指示に従って働き、その対価として給料をもらうイメージです。
事業所得:自分でビジネスをして得た「儲け」のこと
こちらは、フリーランスの方や個人でお店を経営している方が、自分の才覚でビジネスをして得た収入のことです。
ポイントは、「自分の責任」で、自由に仕事を進めるという点です。
(例えるなら…)
自分自身が「船長」として、自分の船(事業)を操縦し、航海(ビジネス)で得た宝物(儲け)が事業所得です。
嵐が来て船が沈んでしまう(赤字になる)リスクも、すべて自分で負います。
「給与」か「事業」か、一番の違いはココ!
結局、この二つを分ける一番大きな違いは「働き方のスタイル」、つまり「仕事の進め方や責任のありか」にあります。
法律の言葉では少し難しいのですが、かみ砕くと、以下のチェックリストで判断することができます。
あなたはどっち?働き方チェックリスト
ご自身の働き方がどちらに近いか、チェックしてみましょう!
✅ 仕事の「リスク」は誰が負う?
質問①:もし予期せぬトラブル(例:納品前の商品が災害で壊れた)で仕事がダメになった時、その損害を自分で被る必要がありますか?
- いいえ、それでも給料はもらえます → 「給与所得」に近い
- はい、報酬はもらえず、損害は自己負担です → 「事業所得」に近い
質問②:仕事で使うパソコンや道具、材料は誰が用意しますか?
- 会社が用意してくれます → 「給与所得」に近い
- 全部自分で揃えています → 「事業所得」に近い
✅ 仕事の「やり方」は自由?
質問③:自分の代わりに、他の人(アシスタントさんなど)に仕事をお願いすることはできますか?
- いいえ、自分以外はダメです → 「給与所得」に近い
- はい、自分の判断で誰かに頼めます → 「事業所得」に近い
質問④:仕事の時間や場所は決められていますか?また、仕事の進め方について、細かく指示を受けますか?
- はい、出社時間も決まっているし、上司の指示で動きます → 「給与所得」に近い
- いいえ、いつどこで、どう働くかは基本的に自由です → 「事業所得」に近い
まとめ
いかがでしたでしょうか?
- 会社などから時間や場所を決められ、指示を受けて働く → 給与所得
- 自分の責任と采配で、自由に働く → 事業所得
というのが大きな違いです。
実際には、これらの点を総合的に見て判断することになります。