配偶者控除は働き方改革の趣旨に合わせた議論を!

 

報道によると、政府・与党配偶者控除廃止の見送りは平成29年度税制改正で配偶者控除の廃止を見送る方針のようです。

配偶者控除を存続し、対象の年収要件を103万円⇒150万円に引き上げの検討をするとのこと。

働き方改革で女性活躍を目指す安倍総理が9月の政府税制調査会で、配偶者控除を見直すよう指示。
この指示により夫婦控除も検討されていたが、配偶者控除を廃止すると専業主婦世帯からの反発が高まり、選挙に不利との判断で見送りに傾いたようです。

配偶者控除対象要件の150万円の引き上げは本当に必要なのでしょうか。
103万円の税金の壁が無くなっても、社会保険の130万円の壁、そして大企業に勤める一部の人は今月から106万円の壁も加わりました。

配偶者控除の要件だけを変えても、女性が働きやすい環境になるとは思えません。
社会保険の壁を意識し、働く時間を抑える方は多くいらっしゃいます。
スーパーの(株)いなげやの人事部が働く人にアンケートをとったところ、「予想以上に時間を短くして社会保険に入らない方が多い」との結果になったようです。

税金と社会保険でちぐはぐな制度になれば、働き方改革の元々の趣旨にそぐわないのではないでしょうか。
決して選挙に不利という理由で改革を中途半端なものにしたり、先送りしてはいけないと思います。