「106万円の壁」はなくなったのに、なぜパートは働く時間を増やせないのか?―130万円の壁と人手不足の意外な関係
※この記事は、2026年10月13日時点の情報をもとに作成しています。
この記事のポイント(先に結論をお伝えします)
最初に、この記事でお伝えしたいことをまとめておきます。
・2026年10月1日、パートやアルバイトの方が社会保険(健康保険と厚生年金)に入る条件のうち、「月給8万8,000円以上」という金額の条件がなくなりました。これが、いわゆる「106万円の壁」の撤廃です。
・ただし、社会保険に入るかどうかは、「週20時間以上働くかどうか」などの条件で、引き続き判断されます。
・週20時間未満で働いていても、年収が130万円以上になると、配偶者の扶養から外れる場合があります。そうなると、自分で国民年金や国民健康保険の保険料を払う必要が出てきます。これが「130万円の壁」です。
・時給が上がると、同じ時間だけ働いても130万円に届きやすくなります。そのため、扶養の範囲に収めようとして、働く時間を減らす人が出てきます。
・パートの方を社会保険に加入させなければならない会社の範囲は、2027年10月から段階的に広がります。従業員が10人前後の会社も、将来は無関係ではなくなります。
この記事は、次のような方に読んでいただきたいと考えています。
・パートで働いていて、「扶養の範囲」がずっと気になっている方
・パートやアルバイトを雇っている中小企業の社長、給与計算の担当者の方
・個人事業でお店や事務所を営み、人を雇っている方
時給が上がったのに、働く時間を減らさなければならない?
物価が上がり、毎日の生活費の負担が重くなっています。
スーパーで買い物をしても、以前と同じ金額では、同じ量の商品が買えなくなりました。
電気代や食料品の値上がりも、家計にじわじわと響いています。
こうした中で、パートやアルバイトの時給が上がることは、本来とても喜ばしいことです。
ところが実際には、少し不思議なことが起きています。
時給が上がったことで、かえって働く時間を減らそうとする人がいるのです。
時給が上がると、年間の収入も増えます。
そして年間の収入が一定の金額を超えると、社会保険料(健康保険料や年金保険料)の負担が生まれる場合があります。
そのため、収入が増えすぎないように、勤務日数や働く時間を減らす人がいるのです。
従業員を確保したい会社にとっては、悩ましい問題です。
せっかく時給を上げたのに、働いてもらえる時間が減ってしまうからです。
働く人にとっても、決して望ましい状況ではありません。
本当はもう少し働いて収入を増やしたいのに、保険料の負担を考えると、ためらってしまうからです。
この背景にあるのが、いわゆる「年収の壁」です。
2026年10月、社会保険制度の見直しによって、「106万円の壁」と呼ばれてきた金額の条件がなくなりました。
しかし、これで問題がすべて解決したわけではありません。
むしろこれからは、もう一つの「130万円の壁」が、働き方を考えるうえで大切になっていくと考えられます。
なぜ、時給が上がることが、働く時間を減らす理由になってしまうのでしょうか。
そして、この問題は、人手不足に悩む中小企業にどのような影響を与えるのでしょうか。
今回は、「働く人の家計」「中小企業の経営」「日本の社会保障制度」という三つの視点から、一緒に考えていきたいと思います。
そもそも「年収の壁」とは何でしょうか
年収の壁とは、働く人の収入が一定の金額や条件を超えたときに、税金や社会保険料の負担が変わる「境目」のことです。
ここで最初に押さえておきたいのは、「税金」と「社会保険」は、まったく別の制度だということです。
所得税や住民税は、税金のルールで計算します。
たとえば所得税には、「配偶者控除」や「配偶者特別控除」という仕組みがあります。
これは、一定の条件を満たす配偶者がいる場合に、本人の所得から一定の金額を差し引いて、税金を少なくする仕組みです。
一方、健康保険や年金は、社会保険のルールで決まります。
こちらは年収だけでなく、勤務先の規模や働く時間なども関係します。
つまり、次の二つは別々に判断されます。
・税金で、配偶者控除の対象になるかどうか
・社会保険で、配偶者の扶養に入れるかどうか
そのため、税金のルールが変わっても、社会保険の扶養の条件まで自動的に変わるわけではありません。
よくある勘違い
「税金の扶養」と「社会保険の扶養」を同じものだと思っている方は、とても多いです。
ここを混同すると、年収の壁を正しく理解できなくなります。
まずは「二つは別物」と覚えておくと安心です。
たとえば、会社員の夫の妻がパートで働いている場合を考えてみましょう。
一定の条件を満たしていれば、妻は夫が加入する健康保険の「扶養」に入ることができます。
この場合、妻本人に健康保険料はかかりません。
また、妻が20歳以上60歳未満であれば、国民年金の「第3号被保険者(会社員や公務員に扶養されている配偶者で、自分で保険料を払わずに国民年金に加入している人)」になります。
この場合、妻が自分で国民年金保険料を払う必要もありません。
ところが、勤務先で社会保険に入る条件を満たしたり、扶養の収入基準を超えたりすると、扱いが変わります。
本人に社会保険料の負担が生まれるため、給料は増えたのに、手取りが減ってしまうことがあるのです。
これが、年収の壁を気にして働く時間を調整する、大きな理由になっています。
2026年10月、「106万円の壁」はどう変わったのでしょうか
少しさかのぼって、これまでの流れを確認しておきましょう。
2024年10月、パートやアルバイトの方が社会保険に入る対象となる会社の範囲が広がりました。
それまでは従業員101人以上の会社が中心でしたが、従業員51人以上の会社にも広がったのです。
当時、パートやアルバイトの方が社会保険に入る条件には、「週20時間以上働くこと」に加えて、「所定内賃金(残業代や賞与などを除いた、毎月決まって支払われる給料)が月8万8,000円以上であること」が含まれていました。
月8万8,000円を1年分に直すと、105万6,000円です。
そのため、一般に「106万円の壁」と呼ばれていました。
そして2026年10月1日、この「月8万8,000円以上」という金額の条件がなくなりました。
ただし、ここで気をつけたいことがあります。
なくなったのは「106万円」という金額の条件であって、社会保険に入る義務そのものがなくなったわけではありません。
2026年10月現在、対象となる会社で働くパートやアルバイトの方は、主に次の条件で判断されます。
・週の所定労働時間(契約で決まっている働く時間)が20時間以上であること
・原則として、学生ではないこと
・2か月を超えて雇われる見込みがあること
・勤務先の会社が、従業員51人以上という規模の条件を満たしていること
なお、最低賃金の減額特例(障害などの理由で、国の許可を受けて最低賃金より低い賃金で働く仕組み)の許可を受け、月8万8,000円未満で働いている方などについては、原則として加入の対象外とする例外的な扱いが設けられています。
また、「週20時間」という条件は、すべての従業員に共通する基準ではありません。
もともと、正社員など通常の従業員と比べて、「週の所定労働時間」と「1か月の所定労働日数」の両方が4分の3以上である人は、会社の規模にかかわらず、勤務先の社会保険に入る対象になります。これを一般に「4分の3基準」と呼びます。
たとえば、正社員の所定労働時間が週24時間という事業所があったとします。
この場合、週18時間働くパートの方でも、日数の条件も満たせば、4分の3基準によって社会保険に入る対象になることがあります。
つまり、「週20時間未満なら、どんな場合でも社会保険に入らなくてよい」というわけではないのです。
社会保険に入るかどうかを確認するときは、「週20時間」という数字だけを見るのではなく、勤務先の状況や雇用契約の内容もあわせて確認することが大切です。
社会保険の加入対象は、今後さらに広がります
2026年10月現在、パートやアルバイトの方の社会保険加入が義務となる会社の規模は、原則として「従業員51人以上」です。
しかし、この条件は今後、段階的に引き下げられる予定です。
・2027年10月から:従業員36人以上の会社
・2029年10月から:従業員21人以上の会社
・2032年10月から:従業員11人以上の会社
・2035年10月から:会社の規模による条件そのものがなくなる
ここでいう「従業員数」は、会社で働いているすべての人を単純に数えたものではありません。
基本的には、現在、厚生年金に加入している従業員の人数で判断します。
また、会社(法人)の場合は、支店や営業所ごとではなく、原則として会社全体の人数で判断します。
このため、従業員が10人前後の会社も、将来は社会保険の対象拡大と無関係ではなくなります。
これまで社会保険に入っていなかったパートの方も、働く時間などの条件を満たせば、新たに加入が必要になる可能性があります。
ただし、個人事業として営んでいるお店や事務所は、法人とは扱いが異なります。
この点は、後ほど詳しくご説明します。
「週20時間未満なら大丈夫」とは限りません
ここからが、今回の問題のいちばん大切なところです。
社会保険に入る条件として、「週20時間」が注目されるようになりました。
そこで、配偶者の扶養の範囲で働きたい方は、「週20時間未満に抑えれば大丈夫」と考えるかもしれません。
しかし、それだけでは問題は解決しません。
もう一つ、「130万円」という収入の基準が残っているからです。
たとえば、時給1,323円で働くパートの方がいたとします。
週19時間、1年間(52週)働くと、年間の給与収入は130万7,124円になります。
週20時間には届いていません。
それでも、年収は130万円を超えています。
この方が、勤務先で社会保険に入る条件を満たさず、さらに配偶者の扶養からも外れる場合は、自分で公的な医療保険(国民健康保険など)に入る必要があります。
また、20歳以上60歳未満の方であれば、国民年金の「第1号被保険者(自営業の方などと同じように、自分で国民年金保険料を納める人)」となり、国民年金保険料を負担する場合があります。
国民健康保険に入る場合は、その保険料もかかります。
つまり、週20時間未満に働く時間を抑えていても、社会保険料の負担が生まれる可能性があるのです。
なお、ここでお話しした「130万円」は、扶養に入る方に原則として使われる基準です。
ただし、年齢などによっては別の基準が使われます。
・60歳以上の方などは、原則として「180万円未満」
・19歳以上23歳未満の方(配偶者を除きます)は、原則として「150万円未満」
このように、すべての方が130万円で判断されるわけではない点にご注意ください。
130万円の計算では、通勤手当や賞与にも注意が必要です
もう一つ、見落としやすいポイントがあります。
それは、「社会保険の扶養を判断するときの収入」と「所得税を計算するときの収入」が、必ずしも同じではないということです。
代表的なのが、通勤手当です。
会社から支給される通勤手当は、所得税では一定の金額まで非課税(税金がかからない)になります。
ところが、社会保険の扶養を判断するときは、非課税の通勤手当であっても、原則として収入に含めて考えます。
賞与や各種手当も、同じように収入の判断に関係します。
たとえば、時給と勤務時間だけで計算した年収が125万円だったとします。
これだけを見ると130万円未満ですから、扶養の範囲に収まりそうです。
しかし、年間6万円の通勤手当が支給されていれば、合計は131万円になります。この場合、扶養の収入基準に影響する可能性があります。
よくある勘違い
「源泉徴収票の金額が130万円未満だから大丈夫」と思い込んでしまうケースです。
源泉徴収票の支払金額には、非課税の通勤手当が含まれていません。
社会保険の扶養を考えるときは、通勤手当や賞与も含めて確認しておくと安心です。
もちろん、最終的な判断には、雇用契約の内容や今後の収入の見込みなども確認する必要があります。
2026年4月から、130万円の判定方法も変わっています
ここで、2026年に行われたもう一つの制度変更も確認しておきましょう。
2026年4月1日から、社会保険の扶養に入れるかどうか(被扶養者として認定するかどうか)を判断する際の、収入の見方が変わりました。
これまでは、過去の収入、現在の収入、今後の収入の見込みなどを、総合的に確認して判断するのが基本でした。
新しい扱いでは、一定の条件のもとで、「労働条件通知書」や「雇用契約書」に書かれた賃金から計算した年間収入で判断できるようになりました。
たとえば、契約書に書かれた時給、勤務時間、各種手当、賞与などから計算した年収が130万円未満であれば、原則として扶養の対象になる場合があります。
ただし、次のような条件もあります。
・給与以外の収入が見込まれないこと
・配偶者などによって生計を維持されていること(たとえば同じ世帯で暮らしている場合は、本人の年収が、扶養する人の年収の半分未満であることなど)
ここで大切なのは、契約したときには見込んでいなかった「一時的な収入の増加」について、柔軟に判断してもらえるようになったことです。
たとえば、急に職場が忙しくなり、予定していなかった残業を引き受けたとします。
契約上は年収125万円の予定だったのに、一時的な残業によって、実際の年収が132万円になったとしましょう。
このような場合でも、一定の条件を満たし、収入の増加が社会通念上(世間一般の常識から見て)妥当な範囲にとどまっていれば、すぐに扶養から外れるとは限りません。
ただし、ここで誤解しないでいただきたいことがあります。
「契約上の年収が130万円未満なら、実際にはいくら稼いでもよい」という制度ではありません。
・最初から恒常的な残業が予定されている場合
・実際には長時間の勤務が続いている場合
こうした場合には、契約書の内容だけでは判断できないことがあります。
また、契約書の賃金を実態より低く書いていたことが分かった場合には、扶養から外れる扱いになることがあります。
契約内容が変わって、見込まれる年収が130万円以上になったときも、あらためて扶養の条件を確認する必要があります。
さらに、次のような場合には、この新しい方法では判断できないことがあります。
・扶養に入る日から数えて、契約期間が1年未満の場合
・シフト制で、勤務時間がはっきり決まっていない場合
・通勤手当の金額がはっきりしない場合
このような場合は、これまでどおりの方法で収入を確認することになります。
新しい方法を使う場合には、労働条件通知書などのほかに、原則として「収入が給与だけである」ことを本人が申し立てる書類も必要です。
そして何より大切なのは、勤務先で社会保険に入る条件を満たしている場合には、扶養の収入基準とは別に、加入の義務が判断されるということです。
つまり、年収130万円未満であっても、勤務先の健康保険や厚生年金に入らなければならない場合があるのです。
この点は、働く方だけでなく、会社の経営者や給与計算の担当者の方にも、ぜひ押さえておいていただきたいところです。
賃金が上がるほど、働ける時間が減っていく
では、時給が上がると、年収の壁にどのような影響が出るのでしょうか。
具体的な数字で考えてみましょう。
時給1,330円で、週18時間働くパートの方がいたとします。
1年間(52週)働くと、給与収入は124万4,880円です。
同じ時間働き続ければ、年収は130万円未満に収まります。
ところが、勤務先が時給を約5%引き上げて、1,397円になったとします。
すると、同じ週18時間の勤務でも、年収は130万7,592円になります。
働く時間をまったく増やしていないのに、時給が上がっただけで、130万円を超えてしまうのです。
なお、これは時給と勤務時間だけで計算した例で、通勤手当や賞与は含めていません。
実際に扶養に入れるかどうかは、雇用契約の内容やその他の条件もあわせて確認する必要があります。
それでも、この例は、いまの年収の壁の問題をよく表していると思います。
日本ではこれまで長い間、賃金がなかなか上がらないことが問題とされてきました。
物価が上がっても給料が増えず、生活が豊かになった実感を持ちにくい状況が続いていました。
そのため、賃金の引き上げは、経済政策の大きな目標になっています。
ところが、実際に賃金が上がり始めると、今度は社会保険の扶養基準との間で、新しい問題が生まれます。
働く方は時給アップを喜ぶ一方で、扶養から外れないように働く時間を減らすことを考える場合があります。
会社は人手不足に対応するために時給を上げたのに、結果として働いてもらえる時間が減ってしまうこともあります。
賃金を上げることと、働く人が希望するだけ働けることが、必ずしも一致していない。
ここに、会社の努力だけでは解決しにくい問題があるのです。
社会保険への加入は、本当に損なのでしょうか
ここまで読むと、社会保険に入ることは「手取りが減る」という悪い面ばかりが目立つかもしれません。
しかし、そう決めてしまうのは、少し早いと思います。
社会保険には、将来の生活を支える大切な役割があるからです。
その一つが、厚生年金です。
配偶者の扶養に入って第3号被保険者になっている方は、将来、原則として「老齢基礎年金(国民年金から支給される、全員共通の土台部分の年金)」を受け取ります。
一方、本人が厚生年金に入ると、老齢基礎年金に加えて、給与や加入期間に応じた「老齢厚生年金」も受け取れるようになります。
いわば、年金が「2階建て」になるイメージです。
たとえば、以前の報道で紹介された試算では、40歳から20年間、一定の給与で厚生年金に入って働いた場合、65歳から受け取る年金が年間約12万円増えるというモデルが示されていました。
もちろん、これは特定の賃金や加入期間を前提とした、当時の試算です。
誰でも同じ金額だけ増えるわけではありません。
それでも、老後の生活が20年、30年と続くことを考えれば、毎年の年金額の違いは、長い目で見ると大きな差になります。
さらに、厚生年金は老後のためだけの制度ではありません。
・一定の障害が残った場合には、条件に応じて「障害厚生年金」を受け取れることがあります。
・亡くなった場合には、遺族への保障もあります。
勤務先の健康保険に本人として入ることにも、メリットがあります。
病気やけがで仕事を休み、給料が出ないときなどに、条件を満たせば「傷病手当金(休んでいる間の生活を支えるお金)」を受け取れることがあります。
出産で仕事を休む場合には、「出産手当金」の対象になることもあります。
また、税金の面でも少し補足しておきます。
給与から差し引かれた社会保険料は、所得税や住民税の計算で「社会保険料控除」の対象になります。
そのため、保険料の負担が増えた分、所得税や住民税が少し軽くなる場合があります。
つまり、社会保険は「ただ保険料を払うだけの仕組み」ではありません。
病気、出産、障害、老後など、人生のさまざまな場面で生活を支える仕組みでもあるのです。
社会保険への加入を考えるときは、毎月の手取りだけでなく、将来の保障まで含めて考えることが大切です。
同じ年収でも、勤務先によって差が生まれる
もう一つ考えておきたいのが、勤務先による違いです。
たとえば、年収136万円で働く40歳の方が二人いたとします。
Aさんは、社会保険の対象となる会社で、加入の条件を満たして働いています。
Bさんは、パートの方への社会保険の対象拡大がまだ及んでいない小さな事業所で働いており、ほかの加入条件にも当てはまりません。
二人とも、給与収入は同じです。
しかし、入る保険の制度が違えば、手取りや将来の年金が変わります。
Aさんのように勤務先の健康保険と厚生年金に入る場合、保険料は基本的に会社と本人が半分ずつ負担します。
一方、Bさんのように勤務先の社会保険に入れず、配偶者の扶養からも外れる場合は、国民年金と国民健康保険の保険料を、本人が全額負担することになります。
国民年金保険料は基本的に定額で、国民健康保険料は所得や住んでいる市区町村などによって変わります。
収入が比較的少ない方にとっては、この負担が重く感じられる場合があります。
さらに、国民年金だけでは、厚生年金のような給与に応じた年金の上乗せがありません。
こうして考えると、扶養を外れて働くことになった場合、勤務先の社会保険に入れるかどうかは、大切な判断材料になります。
もちろん、保険料だけで勤務先を選ぶわけではありません。
仕事の内容、勤務時間、通勤距離、家庭との両立なども大切です。
ただ、社会保険制度の違いが、働く方の勤務先選びに影響する可能性はあると考えられます。
個人事業所では、法人とは取り扱いが異なります
ここで、中小企業の経営者や個人事業主の方に、ぜひ知っておいていただきたいことがあります。
それは、社会保険に入る義務について、「法人(会社)」と「個人事業所」では扱いが違うということです。
法人の場合は、原則として従業員が1人でもいれば、社会保険の「適用事業所(社会保険に加入しなければならない事業所)」になります。
社長1人だけの会社でも、会社から報酬を受けて常に働いているなどの条件に当てはまれば、加入の対象になります。
一方、個人事業所は、従業員の人数や業種によって、加入の義務が変わります。
2026年10月現在、個人事業所では、原則として「常時5人以上の従業員がいて、法律で決められた業種に当てはまる場合」に、社会保険に必ず入らなければならない事業所(強制適用事業所)になります。
対象となる業種の例:製造業、建設業、小売業、医療業、税理士や弁護士などの士業など
対象になっていない業種の例:飲食サービス業、宿泊業など
また、常時5人未満の個人事業所は、業種にかかわらず、原則として強制適用の対象外です。
ただし、従業員の同意を得るなど一定の条件を満たせば、任意で社会保険の適用事業所になる仕組みもあります。
そして、2029年10月からは、個人事業所の対象となる業種が広がる予定です。
原則として、常時5人以上の従業員がいる個人事業所であれば、業種による区別がなくなります。
ただし、2029年10月の時点ですでにある個人事業所で、これまで対象外だった業種のところは、当分の間、対象としない経過措置(急な変化を避けるための猶予期間)が設けられています。
よくある勘違い
「2035年に会社の規模の条件がなくなる」ことと、「すべての個人事業所が社会保険に入らなければならなくなる」ことは、同じではありません。
社会保険の加入を確認するときは、次の二つを分けて考えると整理しやすくなります。
1.まず、勤務先が「適用事業所」に当てはまるかどうか
2.そのうえで、従業員本人が加入の条件を満たすかどうか
個人事業所を営んでいる方は、今後の制度変更が自分の事業所にどう関係するのか、早めに確認しておくと安心です。
2026年10月から、新しい「保険料調整制度」も始まりました
ここまで、社会保険に入ると手取りが減る場合があることをお話ししてきました。
この問題を和らげるために、2026年10月1日から新しい制度が始まっています。
それが「保険料調整制度」です。
この制度は、社会保険の対象拡大によって新しく加入するパートやアルバイトの方について、保険料の負担を一時的に軽くする仕組みです。
ふだん、健康保険や厚生年金の保険料は、原則として会社と従業員が半分ずつ負担します。
しかし、収入が比較的少ない方にとっては、新たに保険料が引かれることで、手取りが大きく減ってしまう場合があります。
そこで、一定の条件を満たす事業所では、従業員が負担する保険料の一部を、会社が一時的に肩代わりできるようになりました。
この制度の大きな特徴は、会社が肩代わりした分が、あとから戻ってくる仕組みになっていることです。
対象となる保険料をいったん納めたあと、肩代わりした分は、原則として3か月後の保険料から差し引かれます。
そのため、制度を正しく使えば、会社が最終的に負担する保険料は、通常の会社負担分より増えるわけではありません。
ただし、保険料を期限までにきちんと納めることが前提です。
また、従業員が将来受け取る年金額が減ることもありません。
制度のポイントをまとめると、次のとおりです。
・利用できる期間:事業所ごとに通算3年間
・3年目の扱い:従業員の保険料が軽くなる割合は、最初の2年間の半分になります
・対象となる従業員:週20時間以上働き、「短時間労働者」として社会保険に加入しているパートなどの方のうち、「標準報酬月額(社会保険料を計算するために、毎月の給料を一定の区切りに当てはめた金額)」が12万6,000円以下の方です。正社員と同じ「4分の3基準」で加入している方は対象外です。おおむね月収13万円未満が目安です。
・対象となる事業所:2026年10月以降に、従業員の同意などにもとづいて任意にパートの方への社会保険の適用を広げた事業所や、2027年10月以降の段階的な対象拡大で新たに対象になる事業所などが中心です。
・手続き:事業主からの申し出が必要です。申し出には期限があり、事業所が制度の対象となった日から2年以内とされています。
・注意点:この制度は事業所単位で適用されます。対象となる従業員全員に適用され、一部の人だけを選ぶことはできません。また、いったん利用を始めると、会社の都合で途中でやめることはできません。
なお、通常の会社負担分までなくなるわけではありません。
資金繰りの面での注意点
会社が肩代わりした保険料は、3か月後に差し引かれる形で戻ってきます。
つまり、戻ってくるまでの間は、会社がいったん多めにお金を支払うことになります。
対象となる従業員が多い会社では、この「立て替え」の期間も資金計画に入れておくと安心です。
それでも、新たに社会保険に入ることで手取りが減る問題を和らげる仕組みができたことには、大きな意味があります。
社会保険を避けるために働く時間を減らすのではなく、保障を受けながら働き続けやすくするための制度なのです。
ただし、保険料の軽減はあくまで一時的なものです。
3年間が終われば、通常の保険料負担に戻ります。
制度を使うかどうか考えるときは、目先の手取りだけでなく、制度が終わったあとの収入や働き方まで見通しておくことが大切です。
人手不足の中小企業にとって、何が問題なのでしょうか
ここからは、会社の立場で考えてみましょう。
日本では少子高齢化が進み、働く世代の人口が減っていきます。
特に従業員が10人前後の会社では、一人ひとりの働く時間が、経営に大きく影響します。
たとえば、パートの方が5人いる会社を考えてみましょう。
一人が週20時間働いていれば、5人で週100時間です。
ところが、年収の壁を気にして、それぞれが週3時間ずつ勤務を減らしたとします。
すると、合計で週15時間分の働き手が失われます。
1年間(52週)で考えると、780時間です。
これは決して小さな数字ではありません。
会社は、その不足分を、ほかの従業員の残業や新たな採用で補わなければならなくなるかもしれません。
求人を出しても応募が集まらない会社にとっては、さらに厳しい状況になります。
しかも、時給を上げれば解決するとも限りません。
時給が上がって130万円の壁に近づく従業員が増えれば、扶養の範囲で働きたいという希望から、勤務を減らす人が出てくるからです。
流れを整理すると、次のようになります。
1.人を確保するために、時給を上げる
2.時給が上がることで、扶養の収入基準に近づく
3.扶養から外れたくない従業員が、働く時間を減らす
4.会社の人手不足が続く
これは一つの会社の人事の問題というよりも、日本全体の働き方に関わる問題だと思います。
ただし、すべての従業員がこうした働き方を選ぶわけではありません。
時給アップをきっかけに、扶養から外れて勤務時間を増やし、収入を大きく増やしたいと考える方もいます。
会社にとって大切なのは、従業員一人ひとりが、どのような働き方を望んでいるのかを知ることです。
社会保険の適用拡大は、企業の負担も増やします
社会保険の対象拡大には、会社側のもう一つの課題もあります。
それは、社会保険料の会社負担が増えることです。
健康保険や厚生年金の保険料は、原則として会社と従業員が分担します。
そのため、新しく加入する従業員が増えれば、会社の負担も増えます。
たとえば、年収136万円の従業員について、会社負担の社会保険料を「年収の約15%」と仮定してみます。
すると、年間約20万4,000円の負担になります。
これは、実際の保険料率を一律に示したものではなく、経営への影響をイメージするための概算です。
厚生年金保険料率は18.3%で、原則として会社と従業員が半分ずつ負担します。
これに健康保険料などが加わります。
実際の会社負担額は、加入している健康保険の保険料率、従業員の年齢、標準報酬月額、賞与などによって変わります。
仮に一人あたり年間20万円の負担が増えるとすると、対象となる従業員が5人なら年間約100万円、10人なら年間約200万円です。
なお、会社が負担した社会保険料は、税金の計算上、経費(法人の場合は損金)として扱われます。
ただし、経費になるからといって、お金が出ていくことに変わりはありません。
資金繰りへの影響は、しっかり見込んでおく必要があります。
また、前に説明した保険料調整制度を使って肩代わり分が戻ってくる場合でも、通常の会社負担分がなくなるわけではありません。
会社が負担できる人件費には、限りがあります。
売上や利益が十分に伸びていなければ、賃金と社会保険料の両方を増やし続けるのは簡単ではありません。
では、その負担をどう吸収すればよいのでしょうか。
たとえば、次のような方法が考えられます。
・商品やサービスの価格を見直す
・仕事の進め方を見直し、生産性を高める
・設備投資やITの活用で、同じ人数でもより多くの仕事ができるようにする
ただし、どの会社でも簡単にできるわけではありません。
特に、価格を上げにくい下請けの会社や、小規模なサービス業では、利益が圧迫される可能性があります。
社会保険の対象拡大は、働く人の保障を広げるという意味では、大切な制度改正です。
同時に、中小企業が賃金と社会保険料を負担し続けられる経営環境を整えることも必要だと考えます。
企業の賃上げ力によって、人材確保に差が生まれる
ここで、もう少し広い視点から考えてみます。
日本では今後も、働く人の数が減っていくと予想されています。
働く人が少なくなれば、会社にとって人材の確保はますます難しくなります。
こうした中では、会社が給料を支払う力によって、人材確保に差が生まれやすくなります。
給料を十分に上げられる会社は、人を集めやすくなるかもしれません。
一方、利益が少なく、給料を上げる余裕がない会社では、採用が難しくなる可能性があります。
ただし、給料が高ければ必ず人が集まるわけでもありません。
・子育て中の方にとっては、勤務時間を調整しやすいことが大切かもしれません。
・家族の介護をしている方にとっては、急なお休みに対応してもらえることが大切かもしれません。
・長く働きたい方にとっては、社会保険の保障や職場の安定が魅力になる場合もあります。
これからの中小企業には、給料の金額だけでなく、働き方や将来の保障も含めて、職場の魅力を考えることが求められると思います。
特に従業員が少ない会社では、一人ひとりの事情に合わせた柔軟な対応が、大企業にはない強みになることもあります。
給料だけで勝負するのではなく、安心して長く勤められる環境をつくることが大切です。
2040年に向けて、社会保険の加入対象を広げる理由
では、なぜ国は、社会保険の加入対象を広げようとしているのでしょうか。
その背景には、日本の人口構造の変化があります。
今後、日本では高齢の方の割合がさらに高まり、年金、医療、介護などの社会保障制度をどう維持するかが、より大きな課題になります。
働く世代が減る一方で、社会保障を必要とする高齢の方の割合が増えるためです。
日本の社会保障制度は、働く世代が納める保険料や税金などによって、高齢の方を含む多くの人の生活を支えています。
そのため、働く人の数が減れば、一人ひとりの負担が重くなりやすい仕組みになっています。
こうした将来の課題は、一般に「2040年問題」と呼ばれています。
2040年代には、高齢の方が多い状態が続く一方で、社会保障を支える働く世代が減っていくと予想されています。
社会保険の加入対象を広げることには、パートなど短い時間で働く方にも保障を広げるという目的があります。
同時に、働き方によって保障や負担が大きく違う制度を見直すという意味もあります。
しかし、ここで難しい問題が生まれます。
保障を充実させるには、保険料などの負担が必要です。
一方、保険料の負担が増えると、目先の手取りが減る方もいます。
生活費が上がっている今、将来の年金が増えることよりも、今月の手取りが減らないことを優先したい方もいるでしょう。
どちらか一方だけが正しい、という問題ではありません。
将来の安心も、今の生活も、どちらも大切です。
だからこそ、制度を見直すときには、将来の安心だけでなく、今の生活をどう支えるかという視点も欠かせません。
働く人は「扶養に入るか」だけで判断しないことが大切
働く方の立場から考えると、これからは働き方を少し長い目で考えることが大切だと思います。
子育てや介護などの事情があり、扶養の範囲で働き続けたいという方もいるでしょう。
そのような方が、無理に働く時間を増やす必要はありません。
大切なのは、ご自身が希望する働き方と、社会保険の条件が合っているかを確認しておくことです。
一方、もっと働いて収入を増やしたい方は、「130万円未満に抑えること」だけを目標にしなくてもよいと思います。
たとえば、社会保険料を差し引いても十分に手取りが増えるところまで収入を伸ばせれば、家計にとってプラスになる場合があります。
勤務先の健康保険や厚生年金に入れれば、将来の年金や病気への保障も充実します。
ですから、「年収129万円と131万円」だけを比べるのではなく、150万円、180万円、200万円といった働き方まで視野に入れて考えてみることも大切です。
もちろん、手取りがどれくらい増えるかは、勤務先の社会保険の状況、年齢、保険料、税金などによって変わります。
また、次の点もあわせて確認しておきましょう。
配偶者の勤務先に家族手当や配偶者手当がある場合は、その支給条件。
扶養から外れると手当がなくなる場合、家計全体への影響がさらに大きくなることがあります。
税金の「配偶者控除・配偶者特別控除」と、社会保険の「扶養」は別の制度であること。
社会保険の扶養から外れたからといって、税金の配偶者特別控除まで必ず受けられなくなるわけではありません。
大切なのは、年収の壁を超えるかどうかそのものではなく、家計全体で「収入」と「保障」がどう変わるのかを理解することです。
中小企業の経営者が、今から考えておきたいこと
中小企業の経営者の方にとっても、年収の壁は見過ごせない問題です。
社会保険の対象が段階的に広がることはすでに決まっていますから、対象となる会社では、前もっての準備が大切になります。
ここでは、「今すぐ取り組みたいこと」と「時期に合わせて準備すること」に分けて整理してみます。
今すぐ取り組みたいこと
従業員の希望を聞く
扶養の範囲で働きたい方もいれば、勤務を増やして収入を増やしたい方もいます。
希望を聞かずに、会社だけで勤務時間を決めてしまうことは避けたいところです。
社会保険に入った場合の変化を、分かりやすく説明する
保険料の負担が増えることだけでなく、将来の年金や健康保険の保障についても伝えましょう。
従業員の方が制度をよく知らないまま、社会保険を避けている可能性もあるからです。
雇用契約書や労働条件通知書を整える
2026年4月からの扶養認定では、契約書に書かれた勤務時間や賃金が判断材料になります。
実際の勤務状況と契約内容が大きく違っていると、扶養の認定や社会保険の加入判断で問題が起きるおそれがあります。
勤務時間、時給、通勤手当、賞与などの条件をはっきり書き、変更があったときは見直しておきましょう。
時期に合わせて準備しておきたいこと
人件費の試算
時給を上げた場合、給料だけでなく、社会保険料の会社負担がどれくらい増えるのか。
勤務時間が変わった場合、仕事をどう分担するのか。
増える人件費を、売上や利益でどう支えるのか。早めに数字で確認しておくと、慌てずに済みます。
自社が対象になる時期の確認
2027年10月(36人以上)、2029年10月(21人以上、個人事業所の業種拡大)など、自社がいつ対象になりそうかを確認しておきましょう。
価格の見直しや業務の効率化
手作業を減らす、仕事の手順を整理する、不要な作業をなくすといった改善は、小さな会社でも取り組めます。
ただし、従業員の負担を増やすだけでは、長く働いてもらうことは難しくなります。
働く人の満足度を保ちながら、生産性を高めることが大切です。
支援制度の確認
2026年10月から始まった保険料調整制度のように、社会保険への加入に伴う負担を和らげる制度を利用できる場合があります。
ただし、使える事業所や従業員には条件がありますので、実際に活用できるかどうかの確認が必要です。
社会保険の手続きや制度の利用については社会保険労務士に相談すると、全体像をつかみやすくなります。
本当に必要なのは、働くほど手取りが増える仕組みではないでしょうか
ここまで見てくると、年収の壁の問題は、「106万円という条件をなくせば解決する」という単純なものではないことが分かります。
2026年には、次のような変化がありました。
4月:扶養認定の方法が見直されました
10月:社会保険に入る条件のうち、賃金(106万円)の条件がなくなりました
10月:保険料調整制度が始まりました
働く人が安心して収入を増やせるように、制度は少しずつ変わり始めています。
しかし、130万円の扶養の収入基準が残っている以上、働く時間を調整する方がいなくなるとは限りません。
さらに、今後も最低賃金やパートの時給が上がっていけば、同じ時間働いていても、130万円に近づく方が増えると考えられます。
そして、働く時間を減らす方が増えれば、人手不足に悩む会社にとっては大きな負担になります。
一方で、社会保険への加入を広げることは、働く人の将来の安心につながります。
社会保障を充実させながら、働く意欲を損なわない仕組みをどうつくるか。
ここには、簡単には答えの出ない問題があります。
本来、働く時間を増やした人が、それに見合った収入の増加を実感できることが望ましいはずです。
賃金が上がったときには、その成果が生活の豊かさにつながることが大切です。
税金や社会保険料の負担を避けるためだけに、希望する働き方をあきらめなければならない状況は、できるだけ少ない方がよいでしょう。
もちろん、社会保障制度を維持するためには、それなりの負担が必要です。
負担をなくせば、その分のお金を別のところから確保しなければなりません。
だからこそ、保険料を誰がどのように分担するのか、負担が増えるときに手取りの急な減少をどう和らげるのかを、丁寧に考える必要があります。
今後の制度改正では、保険料の金額だけでなく、「働く時間を増やしたときに手取りがどう変わるか」にも注目していきたいところです。
おわりに―年収の壁から見える、日本の働き方の課題
年収の壁は、一見すると、パートやアルバイトで働く方だけの問題に思えるかもしれません。
しかし実際には、働く人の収入、家計の負担、会社の人材確保、賃金の上昇、そして日本の社会保障制度の将来にまでつながる、もっと広い問題です。
これから日本では、働く世代の人口が減っていきます。
その中で、働きたい人が希望する時間だけ働ける環境を整えることは、ますます大切になります。
会社にとっても、従業員に安心して長く働いてもらえる環境をつくることが欠かせません。
そのためには、賃金を引き上げる努力と同時に、社会保険の制度を正しく理解し、従業員と一緒に働き方を考えていくことが必要です。
2026年10月、106万円の賃金の条件はなくなりました。
しかし、本当に問われているのは、壁の数字を変えることだけではないと思います。
働く人が、収入を増やすことをためらわずに済む社会をつくれるかどうか。
そして、会社が人を大切にしながら、賃金を引き上げ続けられる経営環境をつくれるかどうか。
年収の壁という身近な問題には、これからの日本の経済と社会を考えるうえで、大切な課題が隠れているのではないでしょうか。






