
会社が国に納める「源泉所得税」を、うっかり多く払いすぎてしまった…!
そんな時の手続きについて、分かりやすく解説します。
ご安心ください!払いすぎた税金はきちんと戻ってきます
もし会社が、従業員の皆さんのお給料から天引きした所得税を、間違って多く納めすぎてしまった場合でも、ご安心ください。
その「払いすぎた分」は、税務署からきちんと返してもらえます。
その方法は、大きく分けて2つあります。
スーパーで買い物をして、レジでお金を多く払いすぎてしまった時をイメージしてみてください。
方法①:現金で直接返してもらう(専門用語で「還付」)
これは、払いすぎたお金を、税務署から現金(実際には会社の口座への振込)で、直接返金してもらうシンプルな方法です。
どうすればいいの?
「払いすぎたので返金してください」という内容の申請書(正式名称:「源泉所得税及び復興特別所得税の誤納額還付請求書」)を税務署に提出します。
方法②:次回の納税額から差し引く(専門用語で「充当」)
こちらは、払いすぎたのが「給料」の源泉所得税だった場合に使える方法です。
払いすぎた分を、次に納める給料の源泉所得税から差し引いて、その差額だけを納めるという方法です。
いわば「次回の買い物で、この前の払いすぎた分を値引きしてもらう」イメージですね。
どうすればいいの?
「払いすぎた分を、次回の納税から差し引きますね」という届出書(正式名称:「源泉所得税及び復興特別所得税の誤納額充当届出書」)を税務署に提出します。
手続きの大切なポイント
どちらの方法を選ぶにしても、いくつか共通の注意点があります。
- 「なぜ払いすぎたか」を証明する書類が必要です
「確かに間違いがありました」ということを税務署に証明するために、間違いが起きた原因がわかる書類のコピー(例えば、会社の経理帳簿など)を一緒に提出する必要があります。 - 手続きには「5年」というタイムリミットがあります!
この返金手続きは、税金を納めすぎた日から5年以内に行う必要があります。
この期間を過ぎてしまうと、残念ながら「時効」となり、返金してもらう権利がなくなってしまいます。
まるで「有効期限切れのクーポン」のようになってしまうのです。
間違いに気づいたら、お早めに手続きをしましょう!