給料をもらっている方の確定申告について【かんたん解説】

給与所得者のうち確定申告が必要な人

会社にお勤めの方は、ほとんどの場合、会社が年末に「年末調整」という形で税金の計算と精算を済ませてくれます。
これは、会社が皆さんの代わりに税金の計算書を提出してくれているようなもの。
だから、自分で「確定申告」をする必要は基本的にありません。

でも、中には「いえ、あなたはご自身で確定申告をお願いしますね」というケースがあるんです。
どんな方が当てはまるのか、身近な例で見ていきましょう!

確定申告が「必要」になる方とは?

次のような方は、ご自身で確定申告をする必要があります。

年収がとても多い方(2,000万円を超える方)

たとえるなら… 「プロ野球の一流選手」のようなものです。
年収が一定のラインを超えると、国が「あなたの税金は、会社任せにせず、ご自身でしっかり計算して報告してくださいね」とお願いするルールになっています。

副業などで20万円を超える「儲け」があった方

たとえるなら… 「会社員をしながら、週末にアクセサリーを作ってネットで売っている」ようなケースです。
会社の給料とは別に、副業の「売上」から「経費」を引いた儲け(所得)が年間20万円を超えたら、その分を申告する必要があります。

2か所以上から給料をもらっている方

たとえるなら… 「平日はA社で働き、土曜日はB社でアルバイトしている」というケースです。
メインのA社では年末調整をしてくれますが、B社の分は計算に入っていません。
B社の給料などが年間20万円を超える場合、A社とB社の分を合算して、自分で税金を計算し直す必要があります。

会社との間に特別な関係がある方

たとえるなら… 「家族で経営している会社の役員で、会社にお金を貸して利息をもらったり、自分の建物を会社に貸して家賃をもらったりしている」場合です。
これは給料とは違うお金のやり取りなので、「きちんと分けて報告してくださいね」というルールになっています。

税金を天引きしない会社から給料をもらっている方

通常、会社は給料から税金を天引き(源泉徴収)してくれます。
しかし、天引きの義務がないところから給料をもらうと、自分で税金を納める必要が出てきます。

退職金のもらい方で、ひとまず多めに税金を引かれた方

退職金を受け取るとき、特定の書類を出さないと、一律で多めの税率(20.42%)が天引きされます。
これは「仮払い」のようなもの。
後で確定申告をすれば、正しい税額で計算し直され、払い過ぎた分が戻ってくる可能性があります。

【お得情報】確定申告を「した方が良い」方とは?

「自分は上のどれにも当てはまらないから関係ないや」と思った方、お待ちください!
確定申告は義務だけでなく、税金を取り戻すチャンスでもあります。

たとえるなら… 「年末調整は、基本的な割引だけが適用された状態。確定申告は、さらに使えるクーポン券(控除)を自分で追加する手続き」のようなものです。

例えば、こんな方は確定申告をすると、払い過ぎた税金が戻ってくる(還付される)可能性が高いですよ。

  • 年間の医療費がたくさんかかった方(医療費控除)
  • ふるさと納税をした方(寄附金控除)
  • 台風や地震などで住宅に被害を受けた方(雑損控除)
  • 住宅ローンを組んでマイホームを買った方(住宅ローン控除の1年目)

年末調整では対応できないこれらの「特別割引」を使いたい方は、ぜひ確定申告を検討してみてください。