人間ドックの費用は医療費控除の対象外

人間ドックと医療費控除の対象

「人間ドックの費用って、医療費控除に使えますか?」というご質問をよくいただきます。
大切なご自身の健康のためのお金ですから、気になりますよね。

今日はこの疑問について、スッキリ解説いたします!

原則は「対象外」。でも、なぜ?

まず、結論から申し上げますと、基本的に、何事もなかった場合の人間ドックの費用は、医療費控除の対象にはなりません。

「え、病院で払ったお金なのにどうして?」と思いますよね。

その理由は、医療費控除という制度の目的にあります。
この制度は、予期せぬ病気やケガの「治療」のために、家計の負担が大きくなってしまった方を、税金の面で少しでも助けましょう、という趣旨なんです。

人間ドックは、あくまでご自身の健康状態をチェックするための「健康診断」です。
いわば、体の定期点検のようなものですね。
まだ「治療」が始まっているわけではないので、残念ながら医療費控除の対象からは外れてしまうのです。

【重要】例外的に「対象になる」ケースがあります!

ところが、これにはとても大切な例外があります。

もし、人間ドックを受けた結果、重大な病気が見つかり、そのまま治療を開始することになった場合は、話が大きく変わってきます。
この場合に限り、その人間ドックの費用も、医療費控除の対象に含めることができるのです。

なぜ、この場合はOKなの?

不思議に思われるかもしれませんが、理由はシンプルです。

この場合の人間ドックは、もはや単なる「健康診断」ではなく、「治療を始めるために必要不可欠な検査」だった、と考えられるからです。

お医者さんが病気を治すためには、まず「どこが、どのように悪いのか」を正確に突き止める必要がありますよね。
その病気の原因を探るための検査だった、とみなされるため、結果的に治療の一環として認められる、というわけです。

まとめ

ポイントを整理すると、このようになります。

  • 原則: 健康チェック目的で受けた人間ドックの費用は、医療費控除の対象外。
  • 例外: 人間ドックで病気が見つかり、そのまま治療を始めた場合は、その人間ドックの費用も対象になります。

ですから、もし人間ドックで治療が必要になった場合は、そのことが分かる診断結果の書類などと一緒に、領収書を大切に保管しておくようにしてください。