会社が貸した車(社用車)で通勤している人に、マイカー通勤の人と同じ基準で通勤手当を払った場合、その手当に税金はかかりますか?

社用車通勤手当の課税について

その場合は全額が「給料」とみなされ、税金(所得税)の対象になります。
非課税にはなりません。

なぜ税金がかかるのか?

ポイントは、「従業員が自分で費用を負担しているかどうか」です。

そもそも、通勤手当に税金がかからない(非課税になる)のは、「従業員が通勤のために自分で払った実費(ガソリン代や電車の運賃など)を、会社が補てんする」という考え方に基づいているからです。

例え話:「お昼ごはん」で考えてみましょう

このルールを「お昼ごはん代の補助」に例えてみます。

① マイカー通勤や電車通勤の場合(=自分でお弁当を用意する人) 自分で車や自転車を用意したり(ガソリン代も自分持ち)、電車の運賃を払ったりして通勤しています。
これは、いわば「自分でお弁当を作って持ってくる」人や、「外でランチを買ってくる」人と同じです。
会社がその費用の一部を「昼食代の補助(=通勤手当)」として出すのは、実費の補てんです。だから一定額までは税金がかかりません。

② 社用車通勤の場合(=会社の無料食堂を使う人) 会社が車を用意し、ガソリン代や保険料もすべて会社が払っています。
これは、「会社が無料の社員食堂を提供している」のと同じ状態です。

もし、無料の食堂でご飯を食べている人に、さらに会社が「昼食代の補助」を現金で渡したらどうでしょう?

それは「食事代の補てん」ではなく、「純粋なお小遣い(=お給料)」と見なされますよね。

結論

社用車通勤の人に支給する通勤手当も、これとまったく同じ理屈です。

すでに会社が「社用車」という通勤手段(無料の食堂)を提供しているため、そこへさらに現金(通勤手当)を支給すると、それは「実費の補てん」とは認められず、「給料」として全額に税金がかかる、というわけです。