マイナス金利幅を拡大すると更なる問題が!
アメリカのJPモルガンは、日本の金利について「マイナス0.1%からマイナス3.5%まで下げられる」と試算しています。
しかし、マイナス金利の幅を拡大して行くことは難しいのではないかと私は考えます。
1、銀行預金の問題
マイナス金利が拡大すれば、欧州の銀行のように個人の預金にマイナス金利が付いたり、口座維持管理手数料が取られる可能性が高まります。
そうすると、銀行からの預金流出が起きるかもしれません。
2、貸出金利の問題
マイナス金利の拡大で銀行の収益が悪化すれば、貸出金利の上昇や貸し渋りが起こるかもしれません。これは景気に対しマイナスに作用することになり、また、日銀や政府の思惑とは反対の方向になってしまいます。
どちらにしてもこれらの事態になれば国民が強く反発するはずです。
ちなみに主要国の中央銀行で構成する国際決済銀行(BIS)は、マイナス金利政策について「家計と企業がどのように行動するのか非常に不透明」と言及し、政策運営に慎重になるべきだとの考えをにじませています。
マイナス金利幅の拡大は難しいと考えます(同志社大学の鹿野教授は引き下げの下限はマイナス0.5前後とおっしゃられております)が、JPモルガンの試算が出ていることもあり、十分注視していく必要があると思います。