「配当所得」のキホン

配当所得と配当所得の金額の計算方法

「配当所得ってなんだか難しそう…」と感じていませんか?ご安心ください。
ここでは、株や投資信託などをお持ちの方にとって身近な「配当所得」について、分かりやすく解説しますね。

配当所得って、ひとことで言うと何?

一言でいえば、「会社などにお金を出した見返りとしてもらえる、利益の分け前」のことです。

たとえるなら、あなたが応援している農家さん(会社)にお金を出資したとします。その農家さんが美味しいリンゴ(利益)をたくさん収穫できたときに、「いつも応援ありがとう!」と、お礼にリンゴを分けてもらうようなイメージです。この受け取ったリンゴが「配当」にあたります。

具体的には、次のようなものが配当所得になります。

  • 株式会社からの配当金:これが一番代表的なものです。
  • 投資信託の分配金:お金のプロに運用をお任せして、そこから得られた利益の分け前です。
  • 信用金庫や生協などへの出資金に対する分配金 など

「みなし配当」って何? ちょっと特殊なケース

これは少し特別なケースですが、「形は配当ではないけれど、実質的には利益の分け前だよね」と見なされるものです。
「配当とみなす」ので、「みなし配当」と呼ばれます。

例えば、こんな状況を想像してみてください。

あなたがA社という会社に 100万円 出資していたとします。
その後、A社が解散することになり、会社の残った財産の中からあなたに120万円が払い戻されました。

この場合、もともとあなたが出した100万円を超える 20万円 の部分は、「会社の利益が形を変えてあなたの手元に来たもの」と考えられ、この20万円が「みなし配当」として扱われるのです。

配当所得の金額はどうやって決まるの?

計算はとてもシンプルです。原則として、その年にもらった配当金の合計額が、そのまま配当所得の金額となります。

【ポイント】借金をして株を買った場合は?

もし、株などを買うために銀行などからお金を借りていた場合は、少しだけ計算が変わります。

その年に支払った借金の利息は、必要経費のようなものとして、もらった配当金の合計額から差し引くことができるのです。

(例)

  • もらった配当金の合計:10万円
  • 株を買うために借りたお金の年間利息:1万円
  • この場合の配当所得の金額:10万円 - 1万円 = 9万円

こうすることで、より実態に合った所得金額で税金を計算することができます。

いかがでしたでしょうか。
配当所得は、基本的には「利益の分け前」。
計算もシンプルですが、会社の状況が変わったり、借金をして投資したりすると少し計算が変わる、と覚えておいてくださいね。