アスファルト舗装の税務処理

アスファルト舗装の税務処理と減価償却

駐車場や会社の敷地内をアスファルトで舗装したとき、「これは経費で落とせるの?」「どうやって処理すればいいの?」というご相談をよくいただきます。

結論からお伝えすると、アスファルト舗装は原則として「構築物」という資産に計上し、減価償却(高額なものを買ったときに、何年かに分けて少しずつ経費にしていく仕組み)で処理します。

ただし、税務署は「構築物かどうか」だけでなく、「いつ工事をしたか」「新しく作ったのか、それとも直しただけなのか」という点も確認します。
ここでは、税務署がどこをチェックするのか、分かりやすく整理していきます。

税務署がまず確認する2つのポイント

税務署がアスファルト舗装の処理を見るとき、最初にチェックするのは次の2点です。

いつ工事をしたか(取得年月日)

2016年(平成28年)4月1日以後に取得した構築物は、「定額法」という方法でしか減価償却ができません。
定額法とは、毎年同じ金額ずつ経費にしていく計算方法です。

一方、2016年3月31日以前に取得したものは、当時のルールで「定率法」(最初の年に多く経費にして、だんだん減らしていく方法)を選んでいるケースもあります。

このため税務署は、「工事の日付が2016年4月1日をまたいでいないか」を必ず確認します。

「新しく作った」のか「直した」のか

税務署が特に注目するのは、ここです。

同じ「舗装工事」でも、内容によって処理が変わります。

・新しく舗装を作った場合 → 「構築物」として資産に計上し、何年かに分けて経費にする
・傷んだ部分を直しただけの場合 → 「修繕費」として、その年に一括で経費にできる

金額が大きいほど、この点は税務署から確認が入りやすくなります。

アスファルト舗装は「構築物」になることが多い

原則:アスファルト舗装=「構築物」

たとえば、駐車場や敷地内の通路をアスファルトで舗装した場合、これは土地そのものではなく、土地の上に作った工作物です。
そのため、原則として「構築物」という勘定科目で資産に計上します。

耐用年数の目安

減価償却の年数(耐用年数)は、構造や用途によって変わります。
アスファルト舗装の場合、一般的には10年が目安として扱われることが多いです。

たとえば、「砂利のままだと車がガタガタするので、駐車場をアスファルトで舗装した」というケースは、構築物として資産計上するのが通常の処理です。

「土地」の費用が混ざっていないか要注意

税務署がときどきチェックするのが、「整地や造成の費用を、構築物に入れていないか」という点です。

整理すると、次のようになります。

・地ならしや埋め立て、造成に近いもの → 土地の価額に含める(減価償却しない)
・舗装としての機能を作る工事 → 構築物(減価償却の対象)

この線引きがあいまいだと、税務署は見積書や工事の明細を見て、「何にいくら使った工事なのか」を確認します。
特に、造成や路盤改良の費用が大きい場合は、明細の書き方によって印象が変わることがあります。

減価償却の方法は取得時期で決まります

これから工事をお考えの方には、ここが大事なポイントです。

・2016年4月1日以後に取得した構築物 → 原則として「定額法」のみ
・2016年3月31日以前に取得した構築物 → 当時のルールで定率法を選んでいるケースもあり

過去に取得したものについては、当時の届出や申告内容で確認が必要です。

税務調査で問題になりやすいのは「修繕費で落としていないか」

アスファルト舗装で指摘を受けやすいのは、「本当は資産計上すべきものを、修繕費として一括で経費にしていないか」という点です。

税務署は「工事の名前」ではなく、「工事の中身」で判断します。

修繕費として説明しやすい例

・ひび割れの部分補修
・穴ぼこの部分的な穴埋め
・現状の機能を維持するための通常の補修

ポイントは、「元の状態を保つため」の工事であることです。
価値を上げたり、寿命を延ばしたりする要素が少ないものが該当します。

資産計上になりやすい例

・砂利だった場所を、初めてアスファルト舗装にした(機能や価値が上がる)
・全面をはがして敷き直し、使用できる期間が延びた
・駐車場の面積を増やした、新しい通路を作った

たとえば「全面的に舗装をやり直しているのに、修繕費で全額経費にしている」という場合、税務署から資産計上を求められることがあります。
そのとき、工事の契約書や写真、明細で「どこをどう直したか」を説明できるかどうかが大切です。

少額の場合の取り扱いについて

修繕費と資産計上の判断には、少額の場合や工事の周期が短い場合に使える考え方(通達)もあります。
ただし、「何でも経費にできる」という話ではなく、前提条件や実態の説明が必要です。判断に迷う場合は、個別の事情を踏まえて整理するのが安心です。

まとめ:基本の処理と実務でのポイント

アスファルト舗装が「新規」や「全面的な敷設」に近い場合、基本の処理は次のとおりです。

・勘定科目:構築物
・償却方法:2016年4月1日以後の取得なら、原則として定額法
・耐用年数:舗装の種類や用途に応じて当てはめ(アスファルト舗装は10年が目安)

実務でのおすすめ

「これは部分補修なのか、それとも実質的に作り替えなのか」と迷いそうな工事ほど、後から説明できる資料を残しておくことが一番の対策です。
具体的には、業者さんに次のことをお願いしておくと安心です。

・見積書や請求書の明細を細かく分ける(補修部分と新設部分、路盤工事と舗装工事など)
・施工前・施工中・施工後の写真を撮っておく(全体の様子と、補修箇所のアップ)
・可能であれば、図面や施工範囲が分かる資料をもらう

たとえば「入口だけ沈下したので、その周辺だけ直した」ということを写真で示せれば、修繕費として説明しやすくなります。
逆に「全面をやり替えた」のであれば、最初から資産計上で組んでおく方が、調査のときも話がスムーズで、結果的に安心です。