同時死亡の場合の法定相続人の判定
父(甲)と長男(乙)が、長男の運転する車に同乗中に交通事故で同時にお亡くなりになった場合の財産の分け方についてです。
法律のルールに沿って、誰がどれくらいの割合で財産を受け取ることになるかを見ていきましょう。
お父様(甲)の財産の分け方
まず、お父様(甲)の財産についてです。
- お母様(Aさん):半分
- 長女(丙さん):4分の1
- お孫さん(Cくん):4分の1
【ポイント解説】
通常であれば、お父様の財産は、まず奥様であるAさんが半分を受け取ります。
そして残りの半分を、お子さんである長男(乙さん)と長女(丙さん)で均等に分けることになります。
しかし、今回は長男の乙さんも同時にお亡くなりになっています。
ここで「代襲相続(だいしゅうそうぞく)」という仕組みが登場します。
これは、本来財産を受け取るはずだったお子さんが先に亡くなっている場合に、そのお子さんのさらに子ども(つまりお孫さん)が代わりに財産を受け取るという制度です。
ちょうど、リレーの選手が走れなくなった時に、その選手の子どもが代わりにバトンを受け取って走るようなイメージですね。
ですから、長男(乙さん)が受け取るはずだった「4分の1」の財産は、その息子さんであるCくんがそっくりそのまま受け継ぐことになるのです。
長男(乙)の財産の分け方
次に、長男(乙)ご自身の財産についてです。
- 奥様(Bさん):半分
- お子さん(Cくん):半分
【ポイント解説】
こちらはシンプルです。
乙さんの財産は、奥様であるBさんと、お子さんであるCくんで半分ずつに分けられます。
お父様(甲)は乙さんより先に(法律上は同時に)亡くなっているので、乙さんの財産をお父様が受け取ることはありません。