国外財産調書と外国株の対象範囲
「外国株を持っていると、国外財産調書を出さないといけないの?」
結論からお伝えすると、日本の証券会社の特定口座で保有している外国株は、原則として対象外です。
では、なぜ対象にならないのでしょうか?
ポイントは、税務署の”見方”にあります。
税務署は「見えているかどうか」で考えている
この制度を理解するコツはシンプルです。
税務署は資産を、「すでに把握できているもの」と「把握しにくいもの」に分けて考えています。
把握できている資産
・日本の証券会社の口座
・日本の銀行口座
これらは、金融機関から税務署へ情報が提出される仕組みがあるため、すでに内容が把握されている状態です。
把握しにくい資産
・海外の銀行口座
・海外の証券会社の口座
こちらは税務署から直接は見えにくいため、ご本人が申告する必要があります。
これが「国外財産調書」という制度です。
判断のカギは「何を持っているか」ではなく「どこで管理されているか」
ここが一番のポイントです。
「外国株だから対象になるのでは?」と考える方は多いのですが、実はそうではありません。
大切なのは「どこで管理されているか」です。
たとえ話で考えると分かりやすい
資産は「中身(何の株か)」ではなく、「置き場所(どこの口座か)」で判断されます。
・日本の証券会社=日本の金庫
・海外の証券会社=海外の金庫
ケース別に見ると、次のようになります。
日本の証券会社で米国株を保有
→ 日本の金庫に入っている → 国内財産(対象外)
海外の証券会社で株を保有
→ 海外の金庫に入っている → 国外財産(対象になる可能性あり)
つまり、外国株かどうかは関係ありません。「どこに置いてあるか」が判断の基準です。
念のため確認しておきたいこと
日本の証券会社をお使いの場合は問題ありませんが、以下の点は一度チェックしておくと安心です。
・昔開設した海外口座が残っていないか
・海外資産の合計が5,000万円を超えていないか
なお、現在は国際的な情報共有の仕組みが整備されており、海外口座の情報が税務署に届く場合があります。
申告が必要かどうか迷ったときは、早めに税務署にご相談されることをおすすめします。
似た制度にも注意:財産債務調書
「国外財産調書」とよく混同されるものに、財産債務調書があります。
こちらは一定の条件を満たすと、国内・国外を問わずすべての財産が対象になる別の制度です。
どちらに該当するか迷ったときは、合わせてご確認ください。
まとめ
・日本の証券会社の外国株 → 対象外
・海外の口座の資産 → 対象になる可能性あり
判断のカギは「どこに置いてあるか」、この一点です。
「これって対象になるの?」と迷ったときは、まず”場所”を基準に考えてみてください。
ぐっと整理されます。



