納付税額がない場合の税務署への所得税徴収高計算書(納付書)の提出

今回は、会社が給料から天引きした所得税(これを「源泉所得税」といいます)の報告について、少しややこしいルールを分かりやすく解説します。

結論:給料を払ったら、税金が0円でも税務署への報告は必要です!

そもそも、提出する書類って何?

会社は、従業員さんのお給料から天引きした所得税を、国に納める義務があります。
その際に税務署へ提出するのが「所得税徴収高計算書(しょとくぜいちょうしゅうだかけいさんしょ)」という書類です。

これは、いわば「今月、会社は誰にいくら給料を払って、合計でいくら税金を預かりました」という国への報告書のようなものです。

なぜ、税金が0円でも報告が必要なの?

例えば、扶養家族が多い方や、月の給与が一定額以下(約88,000円未満)の方だと、天引きする所得税が0円になることがあります。

しかし、税務署から見ると、会社からこの報告書が届かないと、「本当に今月は納める税金がなかったのかな?」それとも「もしかして、報告を忘れているだけじゃないかな?」と心配になってしまいます。

そこで、たとえ預かった税金が0円だったとしても、「今月は給料を何人に、合計何円支払いましたが、ルール通り計算した結果、預かった税金は0円でした」と、きちんと報告をしてあげる必要があるのです。

これを提出することで、税務署も「なるほど、今月は0円で間違いないんですね」と安心してくれます。
いわば、毎月の「税務署への安否確認」や「出欠連絡」のようなものだと考えていただくと分かりやすいかもしれません。

具体的にはどうすればいいの?

給与を支払って、天引きした税金が0円だった月は、納付書(所得税徴収高計算書)に支払った人数や給料の金額などを書き、「税額」の欄には「0」と記入して、税務署へ提出してください。
提出は、e-Taxや郵送、または税務署の窓口へ直接持っていく方法があります。

これを怠ると、後から税務署に「報告書が出ていませんよ」と問い合わせをされる原因にもなりますので、忘れずに行いましょう。