任意団体にも法人税がかかる?人格のない社団等と代表者・管理人の考え方
自治会、同窓会、PTA、業界団体、研究会、サークル、任意の協会など、株式会社や一般社団法人として登記をしていない団体は、身の回りにたくさんあります。
こうした団体の方からは、よく次のようなご質問をいただきます。
・「法人として登記していないので、法人税は関係ないのではないでしょうか」
・「規約に代表者を置くとは書いていないので、”人格のない社団等”には当たらないと思います」
・「会長という役職はありますが、名誉職なので税務上の代表者ではないはずです」
結論から申し上げますと、規約に「代表者」や「管理人」と書かれていなくても、実際に団体を代表して契約を結び、お金や物品を管理し、業務を取りまとめている人がいれば、「代表者又は管理人の定めがある」と判断される可能性があります。
ただし、ここには大切な注意点があります。
事実上の代表者がいるというだけで、すぐに「人格のない社団等」になるわけではありません。
まず、その集まりが単なる個人の集まりではなく、団体としての組織を持って活動しているかどうかを確認します。
そのうえで、代表者又は管理人の定めがあるかどうかを判断する、という順番になります。
この記事では、法人税基本通達1-1-3(国税庁が定める法人税の取扱いの基準)の内容を中心に、「人格のない社団等」とはどのような団体なのか、そして「代表者又は管理人の定めがある」とはどういう意味なのかを、一般の方にも分かるように解説します。
「人格のない社団等」とは何ですか?
「人格のない社団等」という言葉は、日常生活ではあまり使われません。
ここでいう「人格」とは、人柄や性格という意味ではなく、「法律上の法人格(法律によって、団体そのものが権利や義務を持てる資格)」を意味します。
したがって、人格のない社団等とは、株式会社、一般社団法人、NPO法人などのような法人格は持っていないものの、一定の組織を持って活動している団体のことです。
法人税法では、「人格のない社団等」を次のように定義しています。
法人でない社団又は財団で、代表者又は管理人の定めがあるもの
ただし、代表者や管理人がいるだけでは足りません。
法人税基本通達1-1-1では、「法人でない社団」について、単なる個人の集まりではなく、団体としての組織を持ち、統一された意思のもとで、構成員一人ひとりとは別の団体として活動するものと説明しています。
そのため、人格のない社団等に該当するかどうかは、おおまかに次の二段階で考えます。
第1段階 団体としての組織があるか
まず、次のような事情を確認します。
・団体としての名称がある
・継続的な活動目的がある
・会員や構成員がいる
・総会、役員会などの意思決定の仕組みがある
・規約、会則、運営ルールなどがある
・団体としてお金や財産を管理している
・代表者が交代しても団体の活動が続く
これらを総合的に見て、単なる個人の寄せ集めではなく、一つの団体として活動しているといえるかを判断します。
第2段階 代表者又は管理人の定めがあるか
団体としての組織があることを確認したうえで、次に、その団体に代表者又は管理人がいるかを確認します。
ここでは、規約などの書面だけではなく、実際の運営状況も重要な手がかりになります。
つまり、税務上は次のような順番で考えることになります。
1.その集まりは、団体としての組織を持っているか
2.その団体に、規約上または事実上の代表者・管理人がいるか
この二つを満たす場合に、人格のない社団等に該当する可能性が出てきます。
どのような団体が該当する可能性がありますか?
たとえば、次のような団体が人格のない社団等に該当する可能性があります。
・規約を作って運営している同窓会
・会長、役員、会計担当者などがいるPTA
・会費を集めて活動している業界団体
・定期的に総会を開いている自治会
・法人格を取得していない任意の協会
・会員向けの研修やイベントを行う研究会
・管理規約に基づいて運営されている管理組合
・団体名義で契約や取引を行っているサークル
ただし、「同窓会だから必ず該当する」「自治会だから必ず該当する」というわけではありません。
同じ名称の団体でも、組織の作り方、意思決定の方法、規約の内容、財産の管理方法などによって、判断は変わってきます。
一方、数人が一時的に集まって食事会や旅行をするだけのようなケースでは、通常、団体としての組織があるとはいいにくいでしょう。
名称だけで判断するのではなく、実際にどのように運営されているかを確認することが大切です。
「代表者又は管理人の定めがある」とはどういう意味ですか?
法人税基本通達1-1-3では、「代表者又は管理人の定めがある」場合について、大きく二つのケースを示しています。
一つ目は、規約などの書面で代表者や管理人が定められている場合です。
二つ目は、書面に明確な定めがなくても、実際に団体の契約、金銭管理、物品管理などを行い、業務を取りまとめる人がいる場合です。
それぞれ見ていきましょう。
規約などで代表者が定められている場合
たとえば、規約に次のような定めがあるケースです。
・本会に会長1名を置く
・会長は本会を代表する
・理事長は団体の業務を統括する
・代表幹事は対外的な契約を行う
・管理人は団体の財産を管理する
・事務局長は本会の運営を取りまとめる
このような定めがあれば、原則として、代表者又は管理人の定めがあると考えられます。
また、規約に詳しい記載がなくても、総会議事録や役員会議事録で代表者が選任されている場合は、その議事録も判断材料になります。
なお、肩書が必ず「代表者」である必要はありません。
会長、理事長、代表幹事、運営委員長、世話人、事務局長など、別の呼び方であっても、その人が実際に団体を代表していれば、税務上の代表者又は管理人に当たる可能性があります。
書面に定めがなくても、事実上の代表者がいる場合
今回の通達で特に重要なのは、こちらです。
規約に代表者の定めがなかったとしても、次のような業務を行う人が事実上いる場合には、「代表者又は管理人の定めがある」と判断される可能性があります。
・団体の業務に関する契約を結ぶ
・会場や事務所の賃貸借契約を結ぶ
・団体の預金、現金、商品、備品などを管理する
・請求書を発行し、代金を回収する
・経費の支払いを承認する
・団体の活動方針を実質的に取りまとめる
・外部からの問い合わせに団体を代表して対応する
・団体の業務全体を継続的に取りまとめる
法人税基本通達1-1-3では、団体の業務に関する契約を締結し、金銭や物品などを管理するなど、業務を主宰する人が事実上存在していれば、代表者又は管理人の定めがあるとしています。
ここでいう「業務を主宰する」とは、単に一部の作業を担当するのではなく、団体の業務の中心となって全体を取りまとめることです。
たとえば、帳簿への入力だけを担当する人や、会議の司会だけをする人が、それだけで代表者又は管理人になるわけではありません。
一方で、肩書は「連絡係」や「世話人」であっても、実際にはその人が契約、入出金、財産管理、意思決定などを取りまとめているのであれば、事実上の代表者又は管理人と判断される可能性があります。
具体例で確認してみましょう
例1 規約に会長の定めがある同窓会
ある同窓会では、規約に「会長は本会を代表し、会務を統括する」と書かれています。
毎年総会を開いて会長を選び、会長名で会場を借りています。
会費は団体名義の口座で管理されています。
この場合、団体としての組織があり、規約上の代表者も定められているため、人格のない社団等に該当する可能性があります。
例2 規約はないものの、世話人がすべてを管理している団体
ある任意団体には、正式な規約がありません。
しかし、定期的に会合を開き、メンバーの合議で活動方針を決めています。
また、世話人のAさんが会場の契約を結び、参加費を回収し、団体のお金を管理しています。
この場合、まず、継続的な活動、意思決定の仕組み、団体財産の管理などから、団体としての組織があるかを確認します。
団体としての組織があると認められ、さらにAさんが契約や金銭管理を取りまとめているのであれば、Aさんが事実上の代表者又は管理人と判断される可能性があります。
反対に、Aさん個人が自分の判断だけで活動し、ほかの参加者は単にその活動に参加しているだけであれば、団体ではなくAさん個人の事業と判断される可能性もあります。
例3 役員が毎年交代するPTA
PTAの会長や会計担当者が毎年交代する場合でも、それぞれの年度について一定の方法で会長が選ばれ、その会長が団体を代表していれば、代表者の定めがないことにはなりません。
代表者が何年も同じ人である必要はなく、誰を代表者とするかを決める仕組みがあり、その仕組みに従って選任されていればよいと考えられます。
例4 全員の合議で運営している団体
「うちの団体は全員で話し合って決めているので、代表者はいません」というケースもあります。
しかし、実際には、誰かが契約書に署名し、預金通帳を管理し、会場費や講師料を支払っていることがあります。
活動方針を全員で決めていたとしても、外部との契約や財産管理を継続的に取りまとめる人がいれば、その人が事実上の代表者又は管理人と判断される可能性があります。
なぜ、収益事業をしている団体には代表者がいると考えられるのですか?
法人税基本通達1-1-3では、法人でない社団又は財団が「収益事業」(物品販売業や不動産貸付業など、法人税法で定められた事業のこと。詳しくは後述します)を行っている場合、代表者又は管理人の定めがないものは「通常あり得ない」と説明しています。
これは、収益事業を行うには、通常、次のような実務が必要になるためです。
・商品やサービスを提供する契約を結ぶ
・売上代金を受け取る
・仕入代金や経費を支払う
・現金や預金を管理する
・商品、在庫、備品などを管理する
・顧客や取引先との連絡を行う
・事業の運営方針を決める
こうした業務を継続的に行うには、誰かが中心となって取りまとめる必要があります。
そのため、形式上は「代表者はいない」とされていても、実際の運営状況を見ると、事実上の代表者又は管理人が存在することが多い、という考え方です。
ただし、ここでも順番が大切です。
収益活動を行っているからといって、すべての集まりが自動的に人格のない社団等になるわけではありません。
まず、単なる個人の集まりではなく、団体としての組織があるかを確認します。
そのうえで、代表者又は管理人の定めがあるかを判断します。
人格のない社団等に該当すると、法人税はどうなりますか?
法人税法上、人格のない社団等は法人とみなされます。
ただし、株式会社のように、すべての所得が法人税の対象になるわけではありません。
人格のない社団等については、原則として、法人税法上の「収益事業」から生じた所得に法人税が課されます。
ここでいう収益事業とは、単に「お金を受け取る活動」という意味ではありません。
法人税法施行令で定められた34種類の事業を、継続して事業場を設けて行う場合をいいます。
代表的な事業には、次のようなものがあります。
・物品販売業
・不動産貸付業
・製造業
・請負業
・印刷業
・出版業
・席貸業
・料理店業その他の飲食店業
・興行業
・技芸教授業
・駐車場業
・無体財産権提供業
・労働者派遣業
団体の本来の目的として行っている活動であっても、その活動が法人税法上の収益事業に該当すれば、そこから生じた所得について法人税が課されることがあります。
たとえば、地域交流を目的とする団体が、活動資金を得るために商品を仕入れ、継続的に販売しているケースを考えてみましょう。
商品の販売で得た利益をすべて地域活動に使っていたとしても、販売活動が法人税法上の物品販売業に該当する場合には、その事業から生じた所得について法人税の申告が必要になる可能性があります。
「利益を何に使ったか」だけでなく、「どのような事業から利益が生じたか」を確認することが大切です。
会費の取扱いは、法人税と消費税を分けて考えましょう
団体の税務で特に混乱しやすいのが、会費の取扱いです。
「会費」という名称が付いているだけで、法人税や消費税の取扱いが決まるわけではありません。
ただし、法人税と消費税では、確認するポイントが異なります。
法人税で確認すること
法人税では、会費を集めているかどうかだけでなく、その会費の対象となっている活動が、法人税法上の34種類の収益事業に該当するかを確認します。
たとえば、会員から年会費を集め、そのお金を団体の総会、連絡事務、会報の作成など、通常の団体運営に使っている場合があります。
この年会費があるという事実だけで、直ちに収益事業になるわけではありません。
一方で、「会費」という名称で集めていても、実質的には商品の販売代金、研修の受講料、施設の利用料、広告掲載料などに当たる場合には、その活動が34種類の収益事業のどれかに該当するかを確認する必要があります。
つまり、法人税では次の点を確認します。
・会費を払うことで、どのような商品やサービスを受けられるのか
・団体が行っている活動は、34種類の収益事業に当たるか
・その活動は継続して行われているか
・その活動から利益が生じているか
会費に対価性がある(払った分に見合う何かを受け取れる関係にある)というだけで、必ず法人税法上の収益事業になるわけではありません。
最終的には、会費の対象となる活動が、法人税法上の収益事業に当たるかどうかを確認する必要があります。
消費税で確認すること
消費税では、会費と団体が提供する商品やサービスとの間に、明らかな対価関係があるかを確認します。
団体の通常の業務運営に必要な費用を会員で分担する一般的な会費については、通常、特定の商品やサービスの対価には当たらないものとして取り扱われます。
一方で、名称が会費であっても、実質的に次のような代金である場合には、消費税の課税対象となる対価に該当する可能性があります。
・出版物の購読料
・研修の受講料
・施設の利用料
・映画や演劇などの入場料
・情報提供サービスの利用料
国税庁も、通常会費は一般的に対価関係がない一方、実質的に出版物の購読料、受講料、施設利用料などである場合は、課税対象となる対価に該当すると説明しています。
したがって、会費を受け取っている団体では、次のように整理すると分かりやすくなります。
・法人税では、対象となる活動が34種類の収益事業に当たるかを確認する
・消費税では、会費と商品・サービスとの間に対価関係があるかを確認する
法人税と消費税は、同じ会費についても異なる基準で判断します。
収益事業を始めたときは届出が必要です
人格のない社団等が新たに収益事業を始めた場合には、原則として、収益事業を開始した日から2か月以内に「収益事業開始等届出書」を納税地の所轄税務署へ提出します。
ここでは、「税務署へ提出する書類」と「団体内部で整理・保存しておきたい資料」を分けて考えることが大切です。
税務署へ提出する基本書類
国税庁が収益事業開始等届出書の添付書類として示しているのは、基本的に次の書類です。
・収益事業開始等届出書
・収益事業開始時における収益事業の貸借対照表
・定款、寄附行為、規則、規約またはこれらに準ずる書類の写し
提出先は、団体の納税地を所轄する税務署です。
e-Taxによる提出のほか、書面で提出する場合は、届出書と添付書類を持参または送付します。
団体内部で整理・保存しておきたい資料
次の資料は、すべてが収益事業開始等届出書の正式な添付書類として一律に求められているわけではありません。
ただし、団体の組織、代表者、活動内容、収支の状況を説明するために、実務上は整理・保存しておくことをおすすめします。
・代表者を選任した総会議事録や役員会議事録
・会員名簿や役員名簿
・収益事業に関する契約書
・団体名義の預金通帳
・請求書、領収書、納品書
・現金出納帳や会計帳簿
・事業計画書
・団体の活動内容が分かる案内資料
・会費、参加費、売上代金などの料金表
・収益事業とそれ以外の活動を区分した収支資料
規約が十分に整っていない場合には、議事録、契約書、通帳、帳簿などを確認することで、実際の運営状況を整理できることがあります。
また、届出をしていないから人格のない社団等に該当しない、というわけではありません。
税務上の取扱いは、届出の有無ではなく、団体の実態や活動内容に基づいて判断されます。
すでに収益事業を始めているものの、届出や法人税申告をしていない場合には、過去の活動内容と収支を早めに確認しておくことをおすすめします。
経理では「団体のお金」と「個人のお金」を分けましょう
人格のない社団等に該当する可能性がある団体では、代表者個人のお金と団体のお金を明確に分けることが重要です。
たとえば、団体の売上代金を会長個人の口座で受け取り、その口座から会長個人の生活費も支払っていると、団体の収支と個人の収支を区別しにくくなります。
後から帳簿を作ろうとしても、どの入出金が団体のものなのか分からなくなってしまいます。
実務上は、次のように管理しておくと安心です。
・団体専用の預金口座を使用する
・現金出納帳や会計ソフトで入出金を記録する
・請求書や領収書を団体名で受け取る
・契約書を整理して保存する
・役員や会員の立替金を定期的に精算する
・重要な支出について議事録を残す
・収益事業と、それ以外の活動の収支を分ける
人格のない社団等が収益事業とそれ以外の活動を行っている場合には、収益事業に関する経理と、それ以外の事業に関する経理を区分する必要があります。
たとえば、商品販売という収益事業と、会員から集めた通常会費による団体活動を両方行っている場合には、それぞれの収入と経費を分けて記録します。
家賃、通信費、人件費など、両方の活動に共通して発生する経費については、使用割合、作業時間、収入金額など、その経費の性質に合った合理的な基準で分けることになります。
消費税についても別に確認が必要です
人格のない社団等は、消費税法上も法人とみなされます。
そのため、国内で事業として、対価を得て商品を販売したり、資産を貸したり、サービスを提供したりする場合には、消費税の課税関係を確認する必要があります。
ただし、ここで注意したいのは、人格のない社団等に該当しただけで、すぐに消費税を納めなければならないわけではないということです。
実際に消費税の納税義務があるかどうかは、主に次の事情によって判断します。
・基準期間(原則として2期前の事業年度)の課税売上高
・特定期間(原則として前年の事業年度が始まってから6か月間)の課税売上高や給与等支払額
・消費税課税事業者選択届出書(本来は消費税を納めなくてもよい事業者が、あえて消費税を納める事業者になることを選ぶための届出書)を提出しているか
・インボイス発行事業者(適格請求書を発行できる事業者として登録を受けた事業者)の登録を受けているか
・新設法人などに関する特例が適用されるか
原則として、基準期間や特定期間の課税売上高等が1,000万円以下であり、課税事業者を選択しておらず、インボイス発行事業者の登録も受けていない場合には、消費税の納税義務が免除されることがあります。
一方、インボイス発行事業者として登録を受けた場合には、課税売上高が1,000万円以下であっても、原則として消費税の申告と納付が必要になります。
したがって、次の二つは分けて考える必要があります。
1.消費税の課税対象となる取引を行っているか
2.実際に消費税の申告・納付義務があるか
課税対象となる取引があっても、免税事業者であれば、原則として消費税の納付義務が免除されることがあります。
反対に、売上規模が小さくても、インボイス発行事業者として登録している場合などは、消費税の申告が必要です。
「非営利の団体だから税金はかからない」とは限りません
「利益を会員に分配していないので、税金はかからないと思います」「地域貢献や教育活動が目的なので、収益事業ではないはずです」—このように考える方も少なくありません。
しかし、団体の目的が非営利であることと、法人税法上の収益事業に該当するかどうかは、分けて考える必要があります。
利益を会員へ分配していなくても、法人税法上の収益事業から所得が生じていれば、法人税の対象になる可能性があります。
また、団体の本来の目的として行っている活動であっても、その活動が34種類の収益事業に当たれば、法人税が課されることがあります。
大切なのは、「営利目的か、非営利目的か」という気持ちの問題だけではなく、実際にどのような事業を行い、どのような収入を得ているかを確認することです。
よくある勘違い
勘違い1
法人登記をしていないので法人税は関係ない 法人として登記をしていなくても、団体としての組織があり、代表者又は管理人の定めがあれば、人格のない社団等に該当する可能性があります。
そのうえで収益事業を行っていれば、法人税の申告が必要になることがあります。
勘違い2
代表者がいるので、必ず人格のない社団等になる 代表者のような人がいるだけで、すぐに人格のない社団等になるわけではありません。
まず、単なる個人の集まりではなく、団体としての組織と統一された意思があるかを確認します。
そのうえで、代表者又は管理人の定めがあるかを判断します。
勘違い3
規約に代表者と書いていないので該当しない 規約に代表者と書かれていなくても、実際に契約、金銭管理、財産管理などを取りまとめる人がいれば、事実上の代表者又は管理人と判断される可能性があります。
書類の形式だけでなく、実際の役割が重要です。
勘違い4
会長は名誉職なので代表者ではない 会長という肩書だけでは判断できません。
会長が実際には何も業務を行わず、事務局長が契約、入出金、財産管理などをすべて取りまとめている場合には、事務局長が事実上の代表者又は管理人と判断される可能性もあります。
勘違い5
会費なので税金はかからない 会費という名称だけで、税金の取扱いは決まりません。
法人税では、会費の対象となる活動が34種類の収益事業に当たるかを確認します。消費税では、会費と商品・サービスとの間に対価関係があるかを確認します。
勘違い6
人格のない社団等になったら、必ず消費税がかかる 人格のない社団等は消費税法上、法人とみなされますが、該当しただけですぐに消費税の納付が必要になるわけではありません。
実際の納税義務は、課税売上高、課税事業者の選択、インボイス登録の有無などによって判断します。
勘違い7
届出をしていないので人格のない社団等ではない 届出をしているかどうかと、人格のない社団等に該当するかどうかは別の問題です。
団体の実態が要件を満たしていれば、届出をしていなくても人格のない社団等に該当する可能性があります。
団体の運営状況を確認するチェック項目
次の項目に複数当てはまる場合には、人格のない社団等に該当するかを確認しておくと安心です。
・団体の名称がある
・継続的な活動目的がある
・規約や会則がある
・会長、代表、世話人、事務局長などがいる
・総会や役員会を開いている
・多数決や合議など、意思決定の方法がある
・会費や参加費を集めている
・団体として預金や現金を保有している
・団体名義で契約を結んでいる
・商品販売、施設貸付け、広告、研修などの収入がある
・収入と支出を帳簿に記録している
・代表者が変わっても活動が継続する
・団体の財産が、特定の会員個人のものではない
一つ当てはまっただけで、すぐに人格のない社団等になるわけではありません。
規約、議事録、契約書、通帳、帳簿、意思決定の方法などを総合的に確認する必要があります。
まとめ
「代表者又は管理人の定めがある」とは、規約に代表者の名前や役職が書かれている場合だけを意味するものではありません。
規約に明確な定めがなくても、実際に次のような仕事を行う人がいれば、事実上の代表者又は管理人がいると判断される可能性があります。
・団体の契約を結ぶ
・団体のお金や物品を管理する
・団体の業務全体を取りまとめる
・団体を代表して外部とやり取りする
ただし、実際に業務を取りまとめる人がいるというだけで、すぐに人格のない社団等になるわけではありません。
まず、その集まりが、単なる個人の集まりではなく、団体としての組織を持ち、統一された意思のもとで活動しているかを確認します。
そのうえで、規約上または実態上の代表者・管理人がいるかを判断します。
実務では、次の順番で確認すると整理しやすくなります。
1.団体としての組織と意思決定の仕組みがあるか
2.規約上または事実上の代表者・管理人がいるか
3.法人税法上の収益事業を行っているか
4.収益事業開始等届出書の提出が必要か
5.収益事業とそれ以外の活動を区分して経理しているか
6.会費の法人税上、消費税上の取扱いはどうなるか
7.消費税の納税義務やインボイス登録への対応が必要か
8.団体のお金と代表者個人のお金を分けているか
税務上の判断は、団体の名称や肩書だけでなく、規約、議事録、契約書、通帳、帳簿、実際の意思決定方法などに基づいて行われます。
団体の活動が大きくなってから過去の状況を整理するのは、想像以上に手間がかかるものです。
商品販売、施設の貸付け、研修、広告、イベントなど、収入を得る活動を始めた段階で、団体の組織、代表者、会計期間、帳簿の作り方、届出の必要性を確認しておくと安心です。
正確な金額や期限、ご自身の団体が該当するかどうかの最終的な判断は、最新の情報をもとに、所轄税務署にご確認ください。
※この記事は、2026年7月24日時点で確認できる法令、法人税基本通達および国税庁公表資料に基づいて作成しています。
人格のない社団等への該当性、収益事業の判定、会費の取扱い、消費税の納税義務は、団体ごとの規約、活動内容、契約関係、収入の性質などによって異なります。
実際の申告や届出については、所轄税務署へご確認ください。






