個人向け国債が年2.39%に 1年でほぼ2倍、「固定5年」はいま買うべきか

個人向け国債の金利が年2.39%に―みずほ銀行の社債と比べてわかる、いま国債が注目される理由

はじめに―国債で年2%を超える利息が得られる時代になりました

2026年10月、日本の金利をめぐって興味深いニュースが二つありました。

一つは、大手銀行のみずほ銀行が、約12年ぶりに円建ての普通社債を発行すると報じられたことです。

報道によると、利率は3年物が年2.465%、5年物が年2.811%、7年物が年3.141%、10年物が年3.626%とされています。

社債とは、銀行や企業などが投資家からお金を借りるために発行する債券のことです。

今回の社債は1億円単位で発行され、主に機関投資家(保険会社や年金基金など、大きな資金を運用する専門の投資家)を対象としています。
一般の個人が10万円や100万円で購入できる商品ではありません。

もう一つが、財務省が10月7日に発表した、個人向け国債の10月募集分の利率です。

「固定5年」は年2.39%、「固定3年」は年2.07%、「変動10年」は最初の半年間の利率が年2.05%となりました。
三つの商品がそろって2%台に乗り、変動10年が2%台になったのは、2003年に制度が始まってから初めてのことです。

募集期間は10月8日から10月30日まで、発行日は11月16日です。

同じ期間どうしで比べてみましょう。
3年物では、みずほ銀行の社債が年2.465%、固定3年の国債が年2.07%で、差は0.395%です。
5年物では、社債が年2.811%、固定5年の国債が年2.39%で、差は0.421%です。

銀行の社債の方が利率は高いものの、信用リスクを比較的抑えやすい日本国債で、しかも1万円から購入できる商品で年2%を超える利息を受け取れることには、大きな意味があるのではないでしょうか。

かつての日本では、銀行にお金を預けてもほとんど利息が付かず、国債を購入しても大きな利息収入は期待できませんでした。
その状況が、いま変わり始めています。

今回は、投資を始めたばかりの方や、銀行預金以外の資産運用を考えている方に向けて、個人向け国債の仕組みと、年2.39%という利率が持つ意味を考えてみたいと思います。

そもそも国債とは何でしょうか?

国債とは、国がお金を借りるために発行する債券です。
簡単にいえば、国にお金を貸して、その見返りとして利息を受け取る仕組みです。

例えば、10万円の個人向け国債を購入したとします。
国はその10万円を借りている間、決められた条件に従って利息を支払い、満期になると10万円を返します。

ここが、株式投資とは大きく異なる点です。

株式の場合、企業の業績や景気、投資家の期待などによって株価が変動します。
10万円で購入した株式が15万円になることもあれば、5万円になってしまうこともあります。

市場で売買される一般的な債券も、金利の変動によって価格が上下します。
満期前に売却すると、購入価格を下回ることもあります。

これに対して個人向け国債は、個人が持ちやすいように設計された特別な国債です。
市場で売るのではなく、国に額面金額で買い取ってもらう形で途中換金するため、市場価格の変動によって元本の額面が減ることはありません。

ただし、これは日本国政府が約束どおりに元本と利息を支払うことが前提です。
国が発行しているからといって、信用リスクが完全にゼロというわけではありません。

また、途中で換金する場合には、一定の利息相当額が差し引かれます。
普通預金とまったく同じ商品ではないことも、覚えておきたい点です。

それでも、個別企業の社債などと比べると、信用リスクを抑えやすい運用先の一つといえます。
大きな利益を狙うよりも、資産を守りながら着実に利息を受け取りたい方にとって、検討しやすい商品だと考えられます。

なぜ、銀行の社債の方が利率は高いのでしょうか?

先ほど見たとおり、3年物でも5年物でも、国債より銀行の社債の方が利率は高くなっています。
その理由を理解するには、債券という商品の特徴を知る必要があります。

債券は、基本的にお金を貸す商品です。
そして、お金を貸す相手によって、元本や利息が返ってこなくなる可能性は異なります。

例えば、友人に10万円を貸す場合を考えてみましょう。
必ず返してくれると信頼できる相手であれば、低い利息でも貸せるかもしれません。
しかし、返済してもらえるか不安がある相手であれば、より高い利息がなければ貸したくないと考えるでしょう。

金融市場にも、これと似た考え方があります。
社債では、お金を借りる企業や銀行の信用状況を考える必要があります。
経営が悪化すれば、約束どおりに元本や利息を返せなくなる可能性があるためです。

みずほ銀行は日本を代表する大手銀行の一つですが、大手銀行だからといって、信用リスクが完全になくなるわけではありません。

また、社債と国債の利率の差には、信用リスクだけでなく、途中で売却しやすいかどうか、市場でどの程度の需要があるか、発行条件がどうなっているかなど、さまざまな要因が反映されます。

そのため、5年物どうしの差である0.421%を、すべて銀行の信用リスクに対する上乗せ分と考えることはできません。

さらに、今回の社債は1億円単位、個人向け国債は1万円単位です。
購入できる投資家も、途中で資金を回収する仕組みも違います。
同じ5年物であっても、まったく同じ条件の商品ではないのです。

大切なのは、利率の高い商品を探すだけでなく、その利率を得るために、どのようなリスクを引き受けているのかを考えることです。
年3%だからよい、年2%だから悪いという単純な話ではありません。
何を守りたいのか、どのような目的でお金を運用するのかによって、適切な商品は変わってきます。

1年前と比べると、国債の利率はほぼ2倍になっています

1年前の2025年10月に募集された固定5年の利率は、年1.22%でした。
それが2026年10月には年2.39%となり、わずか1年で約1.96倍、ほぼ2倍に上がっています。
前月の9月募集分(年2.24%)と比べても、0.15%の上昇です。

この変化は、日本の金利環境が大きく変わってきたことを示しています。

日本では長い間、超低金利の時代が続いてきました。
例えば預金金利が年0.01%の場合、100万円を1年間預けても、税引前の利息は100円にしかなりません。

銀行に預けておくことは、お金を安全に保管するという意味では大切です。
しかし、利息によって資産を増やすことは、あまり期待できませんでした。
そのため、資産を増やそうとすると、株式や投資信託など、価格が変動する商品に目が向きやすかったのです。

ところが、日本銀行の金融政策の変化などを背景に、市場金利が上昇してきました。
個人向け国債の利率は市場金利をもとに決まるため、その結果として利率も上がっています。

例えば固定5年の利率は、5年物国債の市場金利をもとにした「基準金利」から0.05%を差し引いて決められます。
市場金利が上がれば、毎月の募集利率にもそのまま反映される仕組みです。

もちろん、国債は株式のように資産が何倍にも増えることを期待する商品ではありません。
それでも、大きな価格変動を避けながら利息収入を確保したい方にとっては、選択肢が広がったといえるでしょう。

年2.39%の国債を購入すると、実際にいくら受け取れるのでしょうか?

具体的な金額で考えてみましょう。

固定5年の年2.39%は、税金を差し引く前の利率です。国債の利息には、原則として20.315%の税金がかかります。
内訳は、所得税と復興特別所得税(東日本大震災の復興財源として所得税に上乗せされている税金)が15.315%、住民税が5%です。

税金を差し引くと、税引後の利率は年約1.904%になります。

例えば10万円を購入した場合、1年間に受け取る利息は、税引前で2,390円、税引後で約1,904円です。

この利息は、1年分をまとめて受け取るわけではありません。
個人向け国債の利息は半年ごとに支払われ、今回の10月募集分では、毎年5月15日と11月15日が利払日です。
10万円の場合、半年ごとの税引後利息は約952円になります。

5年間保有すると、税引後の利息は合計で約9,500円です。
満期の2031年11月15日には元本10万円が返ってくるので、受取総額は約10万9,500円となります。

100万円を購入した場合は、1年間の税引後利息が約1万9,000円、5年間で約9万5,000円です。
元本と合わせた受取総額は約109万5,000円になります。

なお、これは利息を再投資しない場合の単純計算による概算です。
初回の利息は発行日から最初の利払日までの日数に応じて計算され、税金や端数処理によって実際の受取額が多少異なることがあります。

大きな利益ではないかもしれません。
しかし、購入時に決まった利率が5年間続き、半年ごとに利息を受け取れるという仕組みは、将来の資金計画を立てるうえで心強いものです。

国債の利息はNISAで非課税にできるのでしょうか?

最近は、NISA(少額投資非課税制度)を利用して資産運用を始める方が増えています。
NISAは、一定の条件を満たす株式や投資信託などから生じた利益を非課税にできる制度です。

そのため、個人向け国債もNISAで購入すれば利息に税金がかからないのでは、と考える方がいるかもしれません。

しかし、個人向け国債はNISAの対象商品ではありません。
つみたて投資枠でも成長投資枠でも購入できず、NISA口座とは別の口座で保有することになります。
利息には原則として20.315%の税金がかかり、通常は利息が支払われるときに差し引かれます。

なお、一定の要件を満たす障害者の方などには、「マル優」「特別マル優」と呼ばれる非課税制度があります。

また、国債の利息は、確定申告をしなくてよい「申告不要」とすることができますが、「申告分離課税」(ほかの所得とは分けて税額を計算する方法)を選んで確定申告することもできます。
上場株式などの売却で損失が出た年には、申告することで、その損失と国債の利息を相殺できる場合があります。

まずは、個人向け国債の利息には原則として約20%の税金がかかる、ということを押さえておきましょう。
商品を比べるときは、税引前の利率だけでなく、実際に受け取れる金額も確認することが大切です。

固定金利の注意点―今後さらに金利が上がる可能性もあります

ここまで読むと、年2.39%の固定5年を、すぐに購入した方がよいと感じる方もいるかもしれません。
しかし、一つ考えておきたいことがあります。
それは、これからも日本の金利が上がるかもしれないということです。

例えば、2026年10月募集の固定5年を年2.39%で購入した後、2027年に募集される固定5年の利率が年3%になったとします。
新しく購入する人は年3%の利息を得られるのに、自分が持っている国債は年2.39%のままです。

このように固定金利には、将来の金利上昇の恩恵を受けられないという弱点があります。

反対に、2027年の固定5年の利率が年1.5%に下がったとしても、すでに購入した国債は満期まで年2.39%が続きます。
固定金利には、将来の金利低下から利息収入を守れるという利点もあるのです。

ここが固定金利の特徴です。現在の利率を将来にわたって確保できる一方で、もっと高い利率が登場しても、購入済みの国債には反映されません。

金利がいつまで上がるのか、いつ下がり始めるのかを正確に予測することは、専門家でも簡単ではありません。
金利は、景気や物価、金融政策、海外の経済状況など、さまざまな要因によって変化し、一直線に動くものではないからです。

最も金利が高くなる時期を当ててから購入しようとすると、いつまでも判断できなくなってしまうことがあります。
大切なのは、将来の金利を完全に予測することではなく、現在の金利をどう評価し、自分のお金をどう運用するかを考えることではないでしょうか。

変動10年と固定5年は、どちらを選べばよいのでしょうか?

個人向け国債には、固定5年のほかに、固定3年と変動10年があります。
固定3年と固定5年は、購入時の利率が満期まで変わりません。一方、変動10年は、半年ごとに利率が見直されます。

10月募集分では、固定5年が年2.39%で最も高く、固定3年が年2.07%、変動10年が年2.05%です。

ただし、変動10年の年2.05%は最初の半年間に適用される利率であり、10年間ずっと続くわけではありません。
変動10年の利率は、その時々の10年物国債の金利に0.66を掛けた水準をもとに、半年ごとに見直されます。
今回の年2.05%も、10年物国債の金利が3%を超える水準まで上がってきたことを反映した数字です。

将来、日本の金利が上がれば変動10年の利率も上がり、金利が下がれば受け取る利息も少なくなります。
なお、個人向け国債には三つの商品とも年0.05%の最低利率が設けられており、利率がこれを下回ることはありません。

今後も金利が上がると考える方には変動10年を、現在の年2.39%を5年間確保したい方には固定5年を検討する理由があります。
どちらが有利になるかは、将来の金利動向次第です。

また、満期までの期間も5年と10年で異なります。利率だけでなく、いつまでお金を運用する予定なのかもあわせて考えることが大切です。

固定5年と変動10年を組み合わせるという考え方

どちらを選ぶか迷う場合には、両方を組み合わせるという方法もあります。

例えば、国債で運用したい資金が100万円あるとします。
その全額を固定5年に充てるのではなく、例えば50万円ずつ、固定5年と変動10年に分けるという方法です。

固定5年で現在の比較的高い利率を確保しつつ、変動10年で将来の金利上昇に備えることができます。
金利の予想を一つに絞る必要がなくなるのが、この方法の良いところです。

ただし、組み合わせが必ず有利になるわけではありません。
金利が大きく下がれば固定5年だけを買っていた方が、大きく上がれば変動10年だけを買っていた方が、多くの利息を受け取れた可能性があります。

組み合わせることで、金利の変動に対する偏りを小さくすることはできますが、必ず高い利息を得られるわけではありません。
投資では、一つの予想が外れても大きく困らないように考えておくことが大切です。

最初から大きな金額を投資する必要はありません

個人向け国債は1万円から1万円単位で購入でき、毎月新しい募集が行われています。
そのため、一度にすべての資金を使う必要はありません。

例えば、まず10万円だけ固定5年を購入し、翌月以降の利率を確認しながら、追加で購入するかどうかを考える方法があります。

金利が上がれば、次回以降はより高い利率の国債を購入できる可能性があります。
反対に金利が下がれば、先に購入した国債で比較的高い利率を確保できたことになります。

もちろん、金利が下がり続けた場合には、最初にまとめて購入していた方が多くの利息を得られた可能性もあります。
それでも、金利の先行きに自信がない方にとって、購入時期を分けることは判断しやすい方法の一つです。

また、国債に投資するお金は、普段の生活に必要なお金とは分けて考えましょう。
毎月の生活費や、急な病気、家電の故障などに備えるお金は、すぐに引き出せる普通預金などで持っておくのが安心です。
そのうえで、当面使う予定のない資金の一部を個人向け国債で運用する、という順番で考えるとよいでしょう。

投資で大切なのは、最も高い利率を得ることだけではなく、お金が必要になったときに困らないようにしておくことです。

個人向け国債はどこで購入できるのでしょうか?

個人向け国債は、証券会社や銀行、ゆうちょ銀行、信用金庫など、全国の多くの金融機関で購入できます。
初めて購入する場合は、その金融機関で国債を取引するための口座を開設する必要があります。
口座開設には、運転免許証などの本人確認書類や、マイナンバーが分かる書類が必要です。

申し込みは、毎月の募集期間内に行います。
今回の10月募集分であれば、10月30日までに申し込む必要があります。
口座開設に日数がかかることもあるため、購入を考えている方は早めに準備しておくと安心です。

なお、金融機関によっては、購入額に応じて現金を受け取れる特典を用意している場合があります。
ただ、国債そのものの利率はどの金融機関で購入しても同じです。
特典の内容だけで選ぶのではなく、普段から利用しやすい金融機関かどうかも含めて考えるとよいでしょう。

個人向け国債は途中で換金できるのでしょうか?

固定5年という名前から、5年間はお金を引き出せないと思う方もいるかもしれません。

しかし、個人向け国債は、原則として発行から1年が経過すれば途中で換金できます。
正確には、2回目の利払日以降です。
今回の10月募集分であれば、2027年11月15日以降が目安になります。

途中で換金する場合には、次の計算式で求められる「中途換金調整額」が差し引かれます。

中途換金調整額=直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685

0.79685という数字は、利息から20.315%の税金が差し引かれることを考慮したものです。
簡単にいえば、途中で換金すると、おおむね直近1年分の税引後利息に相当する金額が差し引かれる仕組みです。

実際の換金額は、額面金額に経過利子相当額を加え、そこから中途換金調整額を差し引いて計算します。
換金の時期によって計算が一部異なることもあるため、実際の受取額は金融機関に確認しましょう。

発行後1年間は、原則として換金できません。
ただし、保有者が亡くなった場合や、災害救助法が適用される大規模な自然災害で被害を受けた場合などには、例外が設けられています。

例えば、半年後に住宅購入の頭金として使う予定のお金を個人向け国債に回すことは、慎重に考える必要があります。
普通預金のように、いつでも自由に引き出せるわけではないという違いを理解したうえで購入することが大切です。

国債の利率が高くても、物価が上がれば安心とは限りません

投資を考えるときには、もう一つ重要な視点があります。それが物価の上昇です。

例えば、100万円の国債で、税引後に年約1万9,000円の利息を受け取れるとします。
ところが、その間に物価が3%上がったらどうでしょうか。
今まで100万円で買えた商品やサービスに、翌年は103万円が必要になるというイメージです。

お金の金額は利息で増えていても、そのお金で買える物の量は減ってしまう可能性があります。
これを、お金の実質的な価値が下がるといいます。

物価が毎年3%上がる状況が5年間続けば、5年後の物価は今より約16%高くなります。
そのとき、税引後で年約1.9%の利息だけでは、物価上昇による購買力の低下を十分に補えない可能性があります。

国債は、円で受け取る元本や利息の金額を守ることには向いています。
しかし、そのお金で将来どれだけの物が買えるかまでは保証していません。
預金や国債のように、金額の安定性を重視した商品を持つことには意味がありますが、それだけで物価上昇に備えられるわけではないのです。

長い期間にわたって物価上昇に備えることを考えるのであれば、株式や投資信託など、異なる特徴を持つ資産を組み合わせることも選択肢になります。
ただし、株式や投資信託には価格が下がる可能性があり、必ず物価上昇に勝てるわけではありません。

どれか一つの商品ですべてを解決しようとせず、それぞれの長所と短所を理解して、目的に応じて使い分けることが大切です。

国債は銀行預金の代わりになるのでしょうか?

ここまでの話から、普通預金をすべて個人向け国債に移した方がよいと感じる方もいるかもしれません。
しかし、必ずしもそうではありません。

普通預金には、いつでも必要なときに引き出せるという大きな利点があります。
急にまとまったお金が必要になったときも、普通預金ならすぐに使うことができます。
一方、個人向け国債は、発行から1年間は原則として換金できず、その後も換金には手続きが必要です。

また、銀行預金は、一定の範囲で預金保険制度(金融機関が破綻した場合に、一つの金融機関ごとに預金者1人あたり元本1,000万円までとその利息などを保護する仕組み)の対象になります。
これに対して個人向け国債は、日本国政府が元本と利息の支払いを約束する債券で、安全性の仕組みそのものが異なります。

近いうちに必要になるお金は普通預金に、数年間使う予定のないお金の一部は個人向け国債に、というように用途で分けるのが現実的ではないでしょうか。

また、国債を購入する前に、同じ期間の定期預金の金利と比べてみることもお勧めします。
金融機関によっては、条件付きで比較的高い定期預金金利を設けている場合があります。
ただし、それが期間限定の優遇金利なのか、継続的に適用される金利なのかによって、実際の条件は変わります。

国債の金利が上がったからといって、預金が不要になるわけではありません。
それぞれの特徴を理解し、お金の用途によって使い分けましょう。

これから資産運用を始める方にとって、年2.39%はどのような意味があるのでしょうか?

固定5年が年2.39%になったことは、単に国債の利率が上がったというだけの話ではありません。
日本で暮らす私たちが、お金をどのように持つかを考えるうえで、選択肢が広がったことを意味します。

長い間、預金や国債の利息がほとんど期待できなかったため、お金を増やすには株式や投資信託が必要だと考えてきた方も多いと思います。
もちろん、長い期間で資産を増やしていくうえで、株式や投資信託はこれからも重要な選択肢です。

しかし、すべての人が大きな価格変動を受け入れられるわけではありません。
また、同じ人であっても、すべての資金を値動きの大きな商品に投資する必要はありません。

老後に備えるお金、数年後に使う教育資金、住宅の修繕に備えるお金など、お金にはそれぞれ目的があります。
その目的によって、適した運用先は変わります。

年2.39%という利率は、そうした資金の一部について、大きな価格変動を避けながら利息収入を得る方法を考えるきっかけになるはずです。

ただし、今の年2.39%が将来にわたって最も有利な利率だとは限りません。
今後さらに上がる可能性もあれば、後から振り返ると高い水準だったということもあり得ます。

だからこそ、購入する金額や時期を分けたり、固定金利と変動金利を組み合わせたりする考え方が役に立ちます。
そして何より、生活に必要なお金を確保したうえで、余裕資金の範囲で運用することが大切です。

まとめ―年2.39%の国債は、資産の守り方を考え直すきっかけになります

2026年10月募集の個人向け国債「固定5年」の利率は、税引前で年2.39%です。
1年前の年1.22%と比べると、ほぼ2倍の水準になりました。

みずほ銀行の社債の利率と比べてみると、日本の金利全体が上昇していることも実感できます。
ただし、社債と国債では、信用リスクや満期までの期間、途中で換金する仕組みなどが異なるため、利率の数字だけでどちらが有利かを判断することはできません。

それでも、個人が1万円から購入できる国債で年2%を超える利息を得られることには、大きな意味があります。
これまで資産を増やそうとすると価格変動を伴う商品に目を向ける必要がありましたが、比較的安定した運用先である国債にも注目しやすくなっています。

もちろん、国債にも弱点はあります。固定金利の場合、将来さらに金利が上がっても購入済みの国債の利率は変わりません。
物価が上がれば、利息だけではお金の実質的な価値を守れない可能性もあります。
途中で換金する場合には、一定の利息相当額が差し引かれます。

今後も金利が上がると考えるなら変動10年を、現在の年2.39%を5年間確保したいなら固定5年を検討する理由があります。
両方を組み合わせたり、毎月少しずつ購入したりする方法もあります。

将来の金利を完全に予測することはできません。
だからこそ、無理のない金額で、複数の選択肢を組み合わせていくことが大切なのだと思います。

資産運用は、大きな利益を追いかけることだけではありません。
大切なお金を守りながら、時間をかけて少しずつ増やしていくことも、立派な資産運用です。
今回の年2.39%という利率は、そうした資産の守り方を改めて考える、よいきっかけになるのではないでしょうか。

なお、本記事の内容は2026年10月時点の情報に基づいています。
購入を検討される際は、財務省や取扱金融機関で最新の条件をご確認ください。